ジビエのシーズン
La saison du gibier

早朝のブドウ畑

10月末ブルゴーニュ南部を旅行していたとき、モヤにかすむブドウ畑が美しかったので写真を撮っていると、畑に不審な人物がいるのが見えました。写真の中央に見える人影ですが、見えるでしょうか?

よくみるとハンター。動いている私を狙い打ちされてはかないません! 慌ててブドウ畑から離れました。

秋になると野原での狩猟が解禁になり、その後には森での狩猟が解禁になります。春までは、田舎を散歩するときには気をつけなければなりません。

ブドウ畑でハンターを見かけてから少し後、車を走らせていると、道路わきにキジがいるではありませんか。

車を止めて眺めていても、しばらくは逃げようともしません。

ハンターたちは農家で飼育された鳥を、狩猟の少し前に大量に放つのです。余り早くから放つと、キツネに先を越されてしまうので数日前に放つそうです。

私が見たのも、少し前までは農家でのんびり暮らしていたキジだったのでしょう。

ハンティングをする人たちの楽しみは、仲間たちでご馳走を食べることにもあるようです。話しを聞いていると、どちらが楽しくてしているのか分からない感じがします。狩猟を趣味にしている友人が言っていました。ハンターたちで狩猟の後に食事をしていると、ピクニックをしていた彼らのテーブルに、キジがパンくずのおこぼれをもらいに近寄って来たのだそうです。

さすが、そのキジを鉄砲で撃つことはしないで、皆で大笑いしてしまったとか。


どうもハンティングは残酷で好きではありません。

そう言いながらも、冬が近づいてくると、「ジビエ(gibier)」といわれる野生の動物を食べられるのは楽しみではあります。シカ、イノシシ、ウサギ、色々な野鳥などがあります。シーズンになると朝市でも吊るして売っているのが見られます。

ジビエはこってりとした料理にすることが多いので、ワインも濃厚なものが選ばれます。寒いときなので、そんな料理は嬉しくもあります。

  
朝市のジビエ売り場
(パリ市)

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親しくしているお爺さんが、射止めたアナウサギを料理する食事会に招待されました。

フランスのウサギには3種類あります。飼育されているのが「ラパン(lapin)」、普通よく食べる野ウサギは「リエーヴル(lièvre)」。アナウサギと訳されるのは「ラパン・ド・ガレンヌ(lapin de garenne)」という、リエーブルより小型のウサギです。

ラパンは最もポピュラーなウサギです。田舎では家でウサギを飼っている人も大勢います。可愛いウサギを飼っていて、よく太ったからと絞めてしまえる気持ちが理解できませんが・・・。

リエーブルもレストランなどで見かけることがあるので馴染みがあるのですが、アナウサギの方は食べたことがありませんでした。

パリにいらしたことがある方なら、シャルル・ドゴール空港の離着陸でウサギが跳ね回っているのをご覧になったことがあるのではないでしょうか? 空港では特別に定めた日以外には狩猟ができないので、ウサギが大量に発生しているらしいのです。

そのアナウサギをご馳走になりました。可愛いウサギの姿は思い浮かべないで食べました。お爺さんが牧場でとってきたキノコも入って、とてもおいしかったです。

ちなみに、この料理に合わせたのは南仏のワイン 「シャトーヌッフ・ドュ・パップ (Châteauneuf-du-Pape)の1993年ものでした。

作成: 2003年12月  更新: 2010年12月


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