モリーユ茸 (アミガサ茸)  morille

 モリーユ茸とは?

春になってから森の散歩が楽しくなると、真っ先にモリーユ(morille)というキノコを探したくなります。

日本語では「アミガサタケ」というらしいです。なるほど、笠の部分がメッシュの網になっています。


 高価だけれど、その価値はある!

モリーユは栽培されないので、高価なキノコです。

レストランで「モリーユ添え」などと書いてある料理に誘われて注文すると、小さなキノコが3個くらいしかのっていないこともあります。

しかし非常に美味! 生クリームのソースにこのキノコを入れただけで、すばらしいソースに変身してしまうのですから。

私自身も、どのキノコが一番好きかと言われたら、モリーユと答えてしまいます。

朝市で売られていたフレッシュのモリーユ

フランスで最高級キノコはトリュフとされています。でも、イタリアの白トリュフなどのように香りが強くて素晴らしいと思うのですが、それ以外のトリュフだと、正直なところ、「トリュフだ!」という感動だけで喜んで食べている気がしないでもありません。

トリュフとの違いもあります。トリュフは薄くスライスして生でも食べられますが、モリーユの方は生で食べたら有毒だそうですのでご注意ください!
 乾燥したモリーユ、フレッシュなモリーユ

モリーユがたくさん採れる産地でもない限り、フレッシュなモリーニュが売られることは少ないです。シーズンも限られますので。

普通は、乾燥したキノコを買って料理に使います。たまに冷凍物が大手スーパーで見つかることもあります。

乾燥した方が香りも高くなって良いのだ、と言う人もあります。やはり季節には生のモリーユを食べたいと思ってしまいますが、乾燥した方が香りも味も良いような気がしないでもありません。

それでも、やはり限られた時期にしか食べられない採りたてのモリーユを食べるのは嬉しいものです。


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なお、モリーユはひだの多いキノコですので、土が入りこんでいることがあります。キノコを水に浸して洗うと風味が落ちてしまうので、刷毛など土を払ってから、さっと洗います。
 見つけるのが難しいキノコ

ブルゴーニュ地方のお隣、高くない山が多いジュラ地方ではたくさん取れるようですが、こちらブルゴーニュではなかなか見つけるのが難しいキノコです。

小さくて黒っぽいキノコなので、探すのは容易なことではありません!しかも、このキノコは毎年生える場所を変える傾向もあるのだとか。

ところが2004年、モリーユがたくさん生えていると友人たちの話題になっていました。その前の年は異常な猛暑の年でした。おそらく、それが影響したのでしょう。

ジョギングが趣味の友人のご主人は、ジョギングに行くたびにモリーユを見つけて帰って来るので3キロのもなったのだと話していました。

うらやましい限りです。私は朝市で100グラム1200円くらいで買って食べました。田舎町の朝市なので、パリで買ったら倍くらいの値段で売られているのではないでしょうか。

キノコは加熱すると小さくなるし、モリーユは格別においしいので1キロくらいでも食べられると思いました。

2キロ近いモリーユを収穫した人のビデオがインターネットに出ていたので入れておきます。実際に生えているところがご覧いただけますので。

 日本でも収穫できるそうです

モリーユというキノコ(アミガサ茸)は、日本でも野生のものが見つかるそうです。というか、キノコとしては異様な形をしているために、食べられないで放置されているのが現状なのかも知れないという感じも受けました。

とはいえ、フランス料理では珍重されるために、輸入ものは市販されているようです。

楽天市場でモリーユを探してみる


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私自身の好みでは、モリーユは生クリームで煮たソースにして肉料理の添えると味が引き立ちます。日本では生クリームを使う伝統がないので、モリーユが珍重されないのかも知れません。日本風の鍋物にシイタケの代わりに入れるとか、醤油味の煮付けにモリーユを使ったらどういう味になるのだろうか? という興味はあるのですが、まだ実験したことがありません。

 モリーユには生クリームが合う

モリーユをただソテーにしたり、水で煮ても、それほど美味しくないと感じます。生クリームに入れたソースにすると、モリーユの味や香りがひきたってきます。

アルザス地方にあるレストランのシェフが、簡単にできるモリーユの生クリームソースの作り方を見せているビデオを入れておきます。

子牛のソテーにモリーユを入れた生クリームソースを添えるというもの。肉を焼いた後のフライパンにモリーユを入れ、ブランデーでフランべし、生クリームを加えて塩コショウ。乾燥したモリーユをぬるま湯でもどして使っています。

Escalope de veau fermier aux morilles


レシピでは子牛のエスカロップを使っていますが、普通の牛肉や豚肉のソテーに付け合わせても美味しいソースです。

ただし、生クリームソースは脂肪分が多いので、お肉の方はビデオのシェフが使ったような脂身が少ない肉の方が合っているとは言えます。

もちろん魚料理のソースにも使います。


普通のモリーユより大きなキノコを見つけたことがありました。
次のページでは、そのキノコの写真をお見せしながら、モリーユ茸の種類や毒キノコについてご紹介します。



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