イブキトラノオ

仏語名: Renouée bistorte, Langue de boeuf
学名: Bistorta officinalis
科属名: タデ科 イブキトラノオ属

アルプスの標高1,300メートルのところに滞在したとき、美しいと感じた花が草むらに咲いていました。

出会ったのは9月下旬でしたが、開花のピーク時は夏のようなので「夏に」分類しました。
 
Renouée bistorte

繊細な花を見て、このコーナーでも色々挙げている野生ランの一種かとも思ったのですが、Renouée bistorteと呼ぶ、タデ科(renouée)の植物のようです。

華やかに咲いていないものは、どこにでもある普通の野生植物という感じがするのですが、平野部にあるのは非常に稀なのだそうです。


命名の仕方

日本語名はイブキトラノオ

伊吹虎ノ尾
と書くのは、伊吹山に多く、花穂が虎の尾に似ているから付けられた名。

私が見た花は「トラのしっぽ」を連想はさせませんでした。日本のイブキトラノとは少し異なるのかも知れません。

「イブキトラノオ」で画像を検索してみると、確かにトラのしっぽを思わせる花穂がありました。Googleのフランス語検索に変えて、フランス語名の「Renouée bistorte」で検索してみると、穂が私が見た花のように短めなのが目立ちます。


フランス語名はRenouée bistorte

タデ科(renouée)と、ラテン語で「二重にねじれた(bistorte)」から命名されている。二重にねじれているというのは、根っこの状態。

Langue de boeufという俗称もあった。これは葉の形からのように思う。

草むらに生えているものが多かったので、葉がよく見えなかったのだが、庭の片隅に咲いているのを見つかったときには、アカマンマの葉によく似ていると思った。両方ともタデ科の植物なのでした。

その他、フランスでは、Feuillotte、Serpentaire rouge、Bistorte、Andresse、Couleuvrée、Faux épinardとも呼ばれているといるそうです。

最後に挙げた名前は「偽ホウレンソウ」。ホウレンソウの葉に見えるので間違えないようにということなのでしょうが、この植物は食用になり、昔から薬草としてリストアップされていたとのことです。

山岳部で見られる植物であることは、日本と変わりがありません。


作成: 2012年10月
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