ブラックベリー  mûre

8月末にフランス中部を旅行していたとき、小さな美しい村を見つけて喜んで散策していたときのこと。籐のカゴを持った女性が、近所の人らしい人に挨拶していました。
「ブラックベリーを探しに行くんですよ。まだ早すぎるかも知れないけれど」

  

野生のブラックベリーの花は白かピンク色。5月から9月にかけて花が咲きます。バラ科の植物なのですが、花は小さくて美しくもないので、花が咲いているときにはブラックベリーには目が止まりません。8月半ばころ実が色ずくようになってから、ここにブラックベリーがあると気づくようになります。

野生の果実の中で、ブラックベリーは最高だと思います。ともかく探すのが楽なのです。田舎ではブラックベリーを見つけるのは難しくありません。あるところを見つければ、その場所だけで収穫するには十分な量の実がなっています。それに酸っぱさがなくて美味しいのです。

ブラックベリーは、フランス語ではミュール(mûre)と呼ばれます。栽培されたものが売られているので、かなりポピュラーな果実です。デザートでもよく使われるし、ジャムにもされますので。

野生のブラックベリーは栽培されているものより小粒。心なしか野生の方が甘さが際立っているように感じます。

右の写真は八百屋さんで売られていた栽培されたミュールです。この小さなカゴが2ユーロ(300円弱)。

葉は傷薬になるそうですが、試したことはありません。




ブラックベリーでつくるジャム

ブラックベリーのジャムの作り方を紹介しておきます。余りにも簡単なので、わざわざ書くほどのこともないのですが!

ブラックベリーのゼリー・ジャム (Gelée de mures)  
材料:
 ミュール
 グラニュー糖

@  ブラックベリーを漉(こ)し器に入れてつぶしてジュースをとる。
A  @でできたジュースの分量を量ってから鍋に入れる。ジュースと同量のグラニュー糖を加える。
B  Aを火にかけ、沸騰したら、かき混ぜながらジャム状になるまで20分間くらい煮つめる。

こんなときに使われのはシノア (chinois) と呼ばれる漉し器です(右の写真)。

目が荒いステンレス製の漉し器で、フランス料理につきもののソースを漉したり、キイチゴ類の小さな種を取り除くには便利。この中に入れたものをつぶすには、円錐形に合わせた木の臼のようなものを使います。

シノワというのはフランス語で「中国人」とか「中国の」という意味です。中国から来た調理器具なのでついた名前なのか、昔の中国人がかぶっていた帽子の形から来ているようです。

日本にも伝わっているのかどうか調べたら、「シノワ」という名前で使われているようです。フランスで作られたシステムの漉し器なのかどうかは分かりませんが、広めたのはフランスということのようです。

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なお、本格的にジャムを作るフランス人たちは、右のような専用のジャム作り専用の銅鍋を使います。


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最終更新: 2010年9月


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