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セイヨウニワトコ (エルダー)
仏語名: Sureau noir, Grand Sureau, Arbre de Judas
学名: Sambucus nigra
科属名: スイカズラ科 ニワトコ属 |
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フランスでは「シュロー(sureau)」と呼ばれる植物。
赤い実がなるものもありますが、一般的なのは黒い実がなる木(sureau noir)で、野原に自生しています。
田舎で暮らした年配のフランス人にとっては、この実の香りで子どものころが懐かしくなる植物なのだそうです。まだ経済成長していなかった時代、野生でいくらでも生えていたこの植物から作ったシロップを飲んでいたせいでしょうか?
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花は地味なので、秋に黒い実がなったときに存在に気がつく植物です。
実と花は食用になり、ジャムを作ったり、アルコール飲料にしたりもされます。それ以外の部分は有毒。
今では作る人は少ないと思いますが、田舎のB&B民宿に行ったとき、この実で作った食前酒「Vin de sureau」を出してきたことがありました。美味しいと感激する味ではありませんでした。
フランス語圏サイトのレシピいろいろ:
Les Recettes de Sureau |
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ユダの木 |
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フランス人から懐かしい植物なのだと言われても、どうも好きになれない木でした。実は食用になるといっても、ブラックベリーのように美味しそうに見える木の実ではありません。
この植物を「ユダの木 (仏語名: arbre de Judas )」と呼ぶこともあると聞いて、納得しました。どこか不吉な木に見えるのです。
キリストを裏切ったユダが、この木で首つり自殺をしたという謂われがあるための命名です。
野原で見かけるセイヨウニワトコの木は、枝がかしいでおり、灌木といえるほど低いので、首つりをするには適さないような気がするのですが、10メートルほどに育つ木もあるそうです。
もっとも、ユダが首をつった木は、全く異なる品種のセイヨウハナズオウ(仏語名: Arbre de Judée / 学名: Cercis siliquastrum)だとする異説もあります。こちらの木も、たまに公園などで見ることがあるのですが、キリスト教の国とはいえ、気にしないのでしょうね...。
西洋ニワトコの木には、「ユダの耳(Oreille de Judas)」と呼ぶキノコが生えやすいようです。
これは中国や日本では普通に食べるキクラゲと同じキノコのようです(Wikipedia: キクラゲ)。
キクラゲはフランスでも中華食品店で売っており、料理に使うとフランス人は美味しいと言います。
でも、「ユダの耳」というキノコなどと言ったら、食欲が減退する人もいるかもしれませんね。
Wikipediaの仏語ページでは、右の写真のように、日本語ページにある画像より不気味なキノコが入っていました。
学名にある「Sambucus」は、ラテン語でフルートの意味があるsambucaから来ています。この木が柔らかく、枝は空洞なために、ギリシャの羊飼いが笛にしていたというところから。また、古代から薬効効果が知られていたとのこと。
ケルト人の伝統では、セイヨウニワトコは死にまつわる木だったそうです。この木でドルイド僧は笛を作り、死んだ人から呪いを遠ざけたりしたとのこと。
私がセイヨウニワトコを何となく好きでもなく、ジャムにしたり、酒にしたりする気がしなかったのも、この木にはどことなく暗いイメージがあるからではないかという気がしました。ここに書いたことは、全てこの記事を書きながら知ったわけで、その前には全く先入観は持っていなかったのです。 |
外部情報:
西洋ニワトコ/エルダー |
作成: 2012年10月 |
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