ブドウ畑の紅葉

フランスでは赤く色づくのは、家の壁などに這うツタの葉など、とても限られています。森林で紅葉するのは本当に少しだけ。

日本のようにモミジが山を華やかにするような景色はありません。カエデなどもあるのですが、黄色にしかなりません。

それだけにブドウの葉が真っ赤に色づくのは美しいと喜びます。


1週間後くらいにブドウ収穫が始まるフィサン村で撮影 (2010年9月中旬)


車で時々通る道から見えるブドウ畑では、秋になると畑の中に真っ赤なラインができるので、毎年気になっていました。ブルゴーニュといっても、少しランクの落ちるワインが生産されている地域です。

ブドウの葉が見事に紅葉したから赤いのだろうとは想像つきますが、なぜ一部分だけなのか?… 2003年の10月中旬、車を降りてブドウ畑に立ち寄ってみました。
 


真っ赤に紅葉していたのは6列の畝でした。植えたブドウの種類が違うのか、土の影響なのか分かりません...。

ブドウ畑の中を歩いてみると、積み残しのブドウがたくさんついていました。赤ワインとなるピノ・ノワール種だろうと思います。積み残しのブドウのせいか、普通より少し小粒でした。

ブルゴーニュ地方で生産されるワインの品種は、赤ワインにはピノ・ノワール種かガメ種。白ワインには、圧倒的にシャルドネー種、それからアリゴテ種。その他の品種もあるのですが、だいたいにおいてはこの4種類の品種だろうと推測すると当たるのです。

この畑は、AOC(原産地統合名称)という品質保証が付いたワインを製造するブドウが栽培されています。AOC付きワインを生産するためには、ブドウ畑の面積のよって製造して良いワインの量に上限があります。でも今年(2003年)は例年より1カ月も早くブドウの収穫をしたので、成熟していないブドウが多かったのでしょうか?・・・

AOCワインは、積み残したブドウも、そのままにしておかないで、ちゃんと摘み取らなければならないという規制もあります。ブドウの木の質が悪くなってしまうからです。高級ワインとなるブルゴーニュのようなブドウ畑には、生産にも厳しい規制があるのです。

ブドウを少し摘んで食べてみました。ワインになるブドウといっても、結構おいしい味がします。

超高級ワインが作られるブドウ畑では、積み残しのブドウをとってはいけないなどという看板が立つようになりました。ケチるわけではなくて、勝手に畑に入って荒らされるのを避けようということなのだと思います。

作成: 2003年10月 更新: 2010年9月

Home