ロマネ・コンティのブドウ畑

まぼろしのワイン「ロマネ・コンティ」

ワインが好きな人たちが、一生に一度は飲みたいと憧れるワインの一つにロマネ・コンティがあります。生産量が限られているので、フランス・ワインの中でも飛びぬけて高いのです。特別に安く売られているものを見つけても1本10万円は下りません。そんなに安いと、保存が悪くて味がおかしくなっているのではないか、と心配になるほどの破格値です。

高級レストランでさえ、ワイン・リストに「ロマネ・コンティ」が入っていることは稀です。普通は50万円前後の価格になっているように思います。

ロマネ・コンティが高価なのは、この銘柄でワイン販売できるのは唯一の生産者が独占しているからです。買い手がいる限り、いくらでも高い価格をつけることができますから。

ブルゴーニュのブドウ畑の面積は26,000ヘクタールですが、その中で「ロマネ・コンティ」の名でワインとなるブドウ畑は1.81ヘクタールしかありません。

ロマネ・コンティの畑は、ブルゴーニュの中でも高級ワインが生産される地域にあるヴォーヌ・ロマネという村にあります。

ロマネ・コンティのボトルを見る機会は少ないのですが、そのワインとなるブドウ畑の方は簡単に見に行くことができます。

散歩していて通りかかると、石垣に刻まれた「ロマネ・コンティ(Romanée Conti)」という文字を眺めてしまいます。それがなかったら、どこがどう違うのか分からないブドウ畑だからなのです!
細い道を挟んだだけでワインの銘柄が変わる?

ブルゴーニュのブドウ畑を散歩していると、あぜ道を挟んだだけでワインの銘柄が変わり、価格の方も大きく異なるのに驚きます。明らかに地質が異なっていたり、日当たりが異なっていたりすることもありますが、見ただけでは差が全く認められない所もあります。

実際ブルゴーニュのワイン通は、ブドウ畑の区画割りや地形などが頭に入っていて、レストランでワインを選ぶときには、同じランクであっても知られていないために相場が低いワインを選んだりもしているのです。

ロマネ・コンティ(Romanée Conti)の畑での農作業 (5月)

たった7メートルの道...

上の写真は「ロマネ・コンティ」の畑。下の写真は、そのお隣にある「ヴォーヌ・ロマネ」という銘柄に分類される「ラ・グランド・リュ」の畑です。

ロマネ・コンティのドメインの隣にあるラ・グランド・リュ(La grande rue)のブドウ畑 (5月)
こちらも高級ワインですが、あぜ道を挟んだだけで大きな価格の差が出ています

ラ・グランド・リュの畑とロマネ・コンティの畑畑を分けている道の幅を歩幅で計算してみたら、たった7メートルでした。この2つの畑が隣接していることを地図で見せてラ・グランド・リュを販売しているワインショップがあります(こちらをご覧ください)。

左がロマネ・コンティ―の石垣。右がラ・グランド・リュの石垣です。

ブドウ畑を比べてみると、土も同じように見えるし、両方ともよく手入れされています。「ラ・グランド・リュ」の方も有名な特級酒ランクです。それほどの価格の差が開くほど違うのだろうかと思ってしまうのですが...。
ざっと調べてみたら、このくらいの差がありました。
近年で当たり年だった2005年のビンテージで比較しています。


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検索して面白かったのは、
フランスではめったに店頭では見かけないロマネ・コンティが
日本ではたくさん売られていることでした!
ロマネ・コンティを飲んだ思い出

21世紀の幕開けに、ロマネ・コンティを飲んだ食事会を思い出します。今でも、そのときに参加した友人の間では思い出話しが出ます。

本当は10人くらいで食事会をする予定だったのですが、寒さが厳しい冬だったので、招待された半数がひどい風邪をひいていて参加できませんでした。パーティの招待状には、ロマネ・コンティを出すなどとは書いていなかったのです。行かなかった人たちは、それが分かっていたら這ってでも行ったのに!・・・と後悔しました。

パーティを開くときには前々から予告するので、来られなくなる人が出るのはごく稀なことです。それを思うと、このときに半数もの人たちが欠席したのは不思議な気がします。ロマネ・コンティを飲んだ私たちは、パーティの参加者が少なかったのは幸いだったと思ってしまいました。5人で1本のワインを味わうというのは、量としてはギリギリの感じがありましたので!

ロマネ・コンティは素晴らしい味でした。でも、そのワインが出るまでにもすごいワインを飲んで感激していたので、それらと比べて格段の差がある味わいがあったかどうか断定できないところです。でも「ロマネ・コンティ」というだけで重みがあるので、私たちは感激してしました。

「重みがある」というのが、ロマネ・コンティを飲んだ私の感想です。味の上でも、気分の上でも、ドシンと来るものがありました。

その後、ロマネ・コンティのボトルは、空にした状態でも1キロもあると書いてあるのを見ました。高級ワインはカーヴで長い年月寝かせておくので、ボトルもコルクも上質なものを使います。

でもロマネ・コンティのボトルが1キロもあるとは信じられませんでした。なで肩のブルゴーニュ・ワインのボトルですが、昔使われていた底の厚い、ずんぐり型のボトルがあります。その方が、スマートなロマネ・コンティのボトルより重いという印象を受けるからです。

気になったのでロマネ・コンティのボトルを秤に乗せてみたら、針は900グラムを示しました。ずんぐり型や、その他の高級ワインのボトルの重さも測ってと比べてみると、確かに少し重い瓶だったのです。ボトルを持ったときから、感激させるような効果を生んでいたのでしょうか?・・・

もっともロマネ・コンティのボトルを秤にのせて量っていたときには、フランス人から「日本人は変なことに興味を持つ・・・」と笑われてしまいました!

 
2004年1月


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