わたしたちネコは、たくさんの芸術家にインスピレーションを与えました

< 壁画編 >
1. ジャン・コクトー



 ボクたち猫は、たくさんの芸術家にインスピレーションを与えました。第1回目として、ジャン・コクトーという人が小さなチャペルに描いた壁画をご紹介します。

 祭壇に描かれたキリストの絵の正面にあたる壁に描かれた、天まで届くような大きなゲンチアナという花をごらんください。


 巨大な植物を見上げる猫の、訴えかけるような目に引きつけられませんか?

 ジャン・コクトー(Jean Cocteau: 1889-1963)は、詩や小説を書いたり、映画をつくったりもしましたけれど、彼の残した偉大な仕事の中では、この猫の壁画が大きな位置を占めているとボクは思います。

 とくに猫は教会の壁画のテーマにはなることが少ないので、このようなチャペルの壁画は価値があります。

 チャペルの床に目を転じると、下の文字が刻まれています。
Je reste avec vous.
英語にすれば、I am always with you.

「私はいつもあなたと一緒にいます」という意味です。

 コクトーは、このチャペルに眠っているのです。猫と一緒だから寂しくないでしょうね・・・。

コクトーが残した言葉

Si je préfère les chats aux chiens,
c'est parce qu'il n'y a pas de chat policier.

私が犬より猫が好きなのは、警察猫はいないからだ。

Petit à petit, les chats deviennent l'âme de la maison.
少しずつ、猫たちは家の魂となる。

ご紹介したチャペルは、
印象派の画家たちが好んで住んだ村として知られているバルビゾンに近くにあります。



コクトーが描いた猫の壁画があるチャペル
Chapelle Saint-Blaise-des-Simples, Milly-la-Forêt


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