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子どものように大切にされているペット フランスではペットを購入するために、1年間に15億ユーロが使われていると言われています。ペットの食費、アクセサリー、治療費などのための出費が30億ユーロ近く。つまりフランス人は、ペットのために年間約6千億円も支出しているそうです。本当かな? と思ってしまうほどすごい数字・・・。 ペットの食費は、6割が工場生産の餌。25%は生鮮食品(肉、魚など)、15%は食事の残り物となっています。なおフランスでは、ドライフードは1980年代の始めに市場に現れました。 家庭のペットのための平均支出は、1年間で、犬には140ユーロ、ネコには100ユーロ。支出額は1975年と1995年の間に15倍にも増加しましたが、ヨーロッパでトップになっているイギリスには追いついていません。 ペットの生活環境は、人間の生活環境とともに向上しました。ネコや犬の食べ物もグルメになっています。ミトネという料理(弱火でコトコト煮た料理)が人気を呼んでいます。食事も、食事時間以外でもあげてしまう。そのためか、ネコも、4匹に1匹は体重オーバーになっています。 店でも、ペットのための「衛生・美容」コーナーが充実しています。もちろん、ネコや犬のための香水もアクセサリーもあります。ネコや犬のためのレストラン、精神科医、さらにはミサまで用意されています。 |
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ペット公害 ?! パリに旅行したことがある方は、犬の糞に驚かなかったでしょうか? パリには2万匹くらい犬が住んでいますが、たいていはアパルトマンに住んでいるので、散歩に出る必要があります。 彼らが2,700キロある歩道を散歩するときに落とす糞は、1年間で10トンくらいにもなります! これで滑って入院する人が年に何百人もいるそうです。 犬の糞をフンづけて不愉快は思いをする人が数えきれないほどいたからでしょう。犬の糞をフンづけると、「今日は運がいい」などという変な迷信みたいのまでできていました! |
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長いこと「なんとかしなければ・・・」と言われていたのですが、最近になって、やっと対策がとられるようになりました。 パリには犬の糞を掃除する専用の車もあったのですが、それでは収拾しきれないし、お金もたくさんかかる。それで大きな町では、犬を散歩させる人のために犬の糞専用のゴミ箱が設置されるようになりました。ちゃんとビニール袋も取り出せるようになっています。 公園の隅っこに犬のトイレ(砂場のようなものですが)があったりもします。犬を散歩させる人が糞を放置すると、罰金を取るなどということも聞いたことがあります。 努力のかいあってか、犬の糞を放置するのはよくない、という認識になってきたようです。都会の歩道の上の糞は、めだって減ってきたそうです。田舎の方は変化がないようですが、庭があって散歩にでる必要がない犬も多いので良いのでしょう・・・。 犬はペットとしてはネコより問題が多いようです。人間が犬に噛まれるという事故も年間に50万件もあって(半分は15歳以下の子ども)、犠牲者の1割は入院するほどのケガになっています。 |
犬の糞専用ゴミ箱 |
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やはりペットはネコにした方が良いのではないか、というのが「ネコのおしゃべり」編集部の一致した意見です。 * 使用したデータ: FACCO/Sofres, 2002 参考文献: FRANCOSCOPIE 2005, LAROUSSE |
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