フランスの
クリスマスのご馳走とは?

Festin de Noël en France

目次: フォアグラ  キャビア  七面鳥  シャポンとプーラルド  白ブーダン


デリカテッセン: フォアグラ、白いブーダンなどが並んでいます

フランスのクリスマスにはご馳走を食べます。

クリスマスが近づくと、「何を食べようか?」という課題が頭にひっかかってきます。レストランではクリスマスの特別メニューを作るので、レストランに行くことにしてしまえば簡単なのではありますが。

家庭でクリスマスを祝う場合によく食べられる食材を幾つかあげてみましょう。



フォアグラはクリスマスの定番料理

クリスマスのご馳走としてすぐにあがるのはフォアグラfoie gras)かも知れません。日本のおせち料理に数の子があるようなものでしょうか。

昔の庶民はクリスマスにしか食べなかったのでしょうが、今では普段でも食べる機会があります。それでも、やはりフランス人には「ご馳走 = フォアグラ」というイメージは残っているようです。

フォアグラについては別に記事を書きましたので、そちらをご覧ください。
内部リンク: フランスのご馳走 フォアグラ(4ページ)




めったに口にすることがないご馳走としては、キャビア

普段はまず食べないものをクリスマスに、ということでしたら、超高級食材のキャビア(caviar)をあげることができます。

大金を払ってまで食べるだけの味はしないという人もいますが、キャビアにはランクがあるので、トップクラスのものを食べてみないとキャビアを評価することはできないかも知れません。

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散在するには決心がいりますが、よそのお家で出されれば、ご馳走を用意してくれたと喜ばれることは間違いないと思います。

キャビアはそんなにたくさん食べるものではないので、前菜の前出される突き出しという感じになります。


こんな気取った器にキャビアが入っていました
私がキャビアを食べた思い出として残っているのは、やはりクリスマス・パーティでした。

パーティを主催したのは超お金持ちのお友達。美人は玉の輿にのる、というのを絵に書いたような女性です。

キャビアにも色々な種類があるのですが、最高級となると非常に高価。彼女ならフランスで手に入る最高級を買っているはずなので、このときは心していただきました。



七面鳥はご馳走ではない

日本人から「フランスのクリスマスでは何を食べるの? 七面鳥?」とよく言われます。私も、子どものころに、ヨーロッパのクリスマスのご馳走は七面鳥なのだと聞いたことがあるように思います。

でも、少なくとも今日のフランスでは、七面鳥dinde)はご馳走というイメージからは遠いらしいと感じています。友人たちに聞くと、決まって「七面鳥はパサパサしていておいしくない」と返事されるのです。

中年より上の世代の人たちは、子どもの頃のクリスマス料理は七面鳥がよく出されたと言います。この料理には栗が入っていて、ともかくお腹を膨らませようという目的でママたちが作った、と受け取っているらしいのです。

それで栗まで嫌いになって、「栗はお腹にたまるだけだ」などと言って食べようとしないフランス人もたくさんいます!

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一番豪華なクリスマスのメイン料理は「シャポン」!

シャポンchapon)というのは、去勢した雄鶏です。

それで特別に太っているので美味しいのです。大きいので、クリスマスのように大勢が集まる食事には適しています。

また、シャポンはクリスマス用として飼育されるので、この時期でないと食べられません!

これもキャビアと同じで、庶民には縁の薄い食品です。フランス人でも、一度も食べたことがない人は多いはずです。


最高級はブレス産のシャポン

シャポンの中でも、ブレス産が最高とされています。

ブレス産シャポン「ブレス」という地域は3県にまたがっていますが、ブルゴーニュの南東にあります。きわめて質の高い家禽類の産地で、公的な品質保証である統制原産地呼称(AOC)を持っています。

ブレス産のシャポンは布で巻いて、手縫いで閉じてあるという懲りようです。 それで、飛びぬけて高いのも当然..。フランスでも、早くから予約しないと手に入らないほど数が少ない超高級品となっています。

朝市で売られていたブレス産シャポン。
売り子さんにポーズをとっていただきました。











AOCはブレス産にしか与えられていない品質保証ですが、その次にはラベル・ルージュが品質保証マークとなっています。さらに、養鶏場ではなく農家で放し飼いにされた「fermier(農家製)」も家禽類の質を見極める基準になります。

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日本でもシャポンが販売されていますが、
たいていクリスマスが近くなると全て売り切れになっているようです。


プーラルドもある

シャポンはオスの鶏を去勢したものですが、メスの鶏の卵巣を取り除いたプーラルドpoularde)も高級食材です。これも、普段の生活ではめったに食べないご馳走になります。

これも、AOCを持つブレス産が最高とされています。


フランス銘鶏ブレスチキン
プーラルド(肥育雌鶏)
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ブレス産の家禽類

フランスの農産物および農産物加工品には、AOC(Appellation d'Origine Contrôlée: 原産地統制呼称)という公的品質保証があります。ワインやチーズではAOCを持つものはたくさんあるのですが、鳥肉に関してはブレス地域で規制に沿って生産されるものにしか与えられていません。

ブレス産でAOCを認められているのは、雄鶏(poulet)、卵巣を取り除いた雌鶏(poularde)、去勢した雄鶏(chapon)、さらに農家産の七面鳥となっています。

畜産情報(外部リンク): 土地がはぐくむ風味-ブレス鶏(フランス)

ビデオ(外部リンク): Label One Selection en Bresse
 
 * PRビデオのようですが、放し飼いにしで元気に走り回っている雄鶏(プーレ)の姿が見えます。

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白いブーダン

これがフランスのクリスマス料理なの?! と驚くのは、白いブーダン(boudin blanc)ではないでしょうか?

豚の血と玉ねぎから作る黒いブーダン(boudin noir)の方は、限りなく庶民的な料理なのです。

*黒いブーダンは、日本ではドイツのブルートヴルスト(豚の血のソーセージ) という名前で入って来ているようです。

同じような形をしているので「ブーダン」と呼ばれているだけで、実は全く材料は違います。


トリュフ入り白ブーダン
ご馳走にするために、上にトリュフをのせてみました



白ブーダンを作る肉屋さんのデモンストレーション
白いブーダンの方はソーセージ風のものにしてはお値段は少し高めですが、キャビアやシャポンなどとは比較にならないほどお安い材料です。

白いブーダンをクリスマスの時期に食べるというのは、中世に生まれた風習のようです。中世には、クリスマスイブの食事はミルク・スープ(赤ちゃんの流動食のようなもの)で始まるものだったようです。

17世紀になると、クリスマスイブの食事の前に食べる白ブーダンを売る肉屋さんが現れたました。

クリスマスイブの夜には人々はミサに行きます。深夜のミサには行けないお年寄りは家に残って白いブーダンを煮る。寒いミサから帰ってきた家族は、湯気が立つ白いブーダンを喜んで食べるという習慣ができたようです。


クリスマス料理は何にするか?・・・
パーティを主催する人たちは頭を悩まされます。大晦日のパーティもそうですが、集まって来る人たちは、普段は食べないようなご馳走が出ることを期待していますから!

3つ星シェフのクリマス料理講座:


実際にフランス人がクリスマスのご馳走として何を食べるかの統計があるのではないかと思って探してみたら、
アンケート調査結果がありました。ご興味がある方は次のページをご覧ください。




  フランスのクリスマスを紹介したページの目次


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作成:2005年12月  最終更新:2010年12月
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