「カレンダーはいりません」とは言えない!
Calendriers obligatoires
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カレンダーが火事を消し止めた!

友達が、買ったばかりの家でおきた火事をカレンダーのおかげで消し止められたという話をしてくれました。

引越しする前で、時々掃除に通っていたときのこと。ご主人が仕事帰りによってみると、家のドアを開けたとたんに窒息しそうになったそうです。設置したばかりのプロパンガスがもれているのだろうと思ったそうです。

こういうときは、電気をつけたり、火をつけたりすると爆発する! と、とっさに思ったそうです。

暗がりの中を手さぐりで居間に入ってみて、暖炉のところからボヤが出ているのだと分かりました。前日に泊まったときに火が残っていて、はねたかなにかして床に燃え移ったのでしょう。

どうして良いか分からないでオロオロしていると、玄関から声がかかりました。
「消防団の者ですが・・・」

さすが対応が早い!と感心したのですが、「消防団の者ですが・・・」に続いて、「カレンダーを持って来ました」という挨拶。
「ちょうどいい、火事だから!」

消防団の人もびっくり。カレンダーどころではなくて、本部に連絡して消火活動をしてくれたそうです。


フランス式お歳暮、あるいはお年玉?

フランスには盆暮れの付け届けがないのでわずらわしさがないと思っていたのですが、考えてみればカレンダーはお歳暮の一種です。違うのは、相手が催促してくる! という点。

マンションに住む人は、管理人さんに年末のお礼をあげるというのも習慣になっています。管理人さんはカレンダーを持ってくるわけではないのですが、ほとんど催促するような感じで強制されます。少なくとも、お礼しないと、日ごろお世話になりにくくなってしまうので知らん顔はできません。

農村の郵便配達の人などは、本来の仕事以外のサービスもしているので、お礼をはずむ人もいると思います。薬屋さんで品切れになっていた薬は、薬屋さんから託されて翌日持ってきてくれるとか、外出がままならないお年寄りが買い物を頼むとかいうことがあるからです。

そんなお世話になっていなくても、郵便局のカレンダーはよくできているので毎年楽しみにしている人があるかも知れません。でも他のカレンダーなどは必要なくても、いちおうはいただいて、多少のお金をあげます。

どのくらいお歳暮をあげるのかは人によって違います。どのくらいお世話になっているか、気前がいいかにもよるからです。気のおけない友達に聞いてみたら、気前良くみんなに20ユーロ(約5000円)ずつあげているのだと言っていました。

ニュースでは、パリの高級住宅地である16区のマンション管理人さんが、この時期にもらうチップは1カ月分くらいの収入にはなると報道されていました。パリに住む友人は、1カ月分のボーナス以上になるはずだと言っています。

そうなると、こういう風習で副収入を得られないような低賃金の人は運が悪い・・・、と思ってしまいます。

情報リンク

フランスの郵便局のカレンダーの歴史について:
Le calendrier de la poste, temoin de son temps ?

フランス語のサイトですが、昔のカレンダーの写真がたくさん入っています。
絵が時代を現しているので、コレクターがいるのも納得されるのではないでしょうか。

   


作成: 2005年1月

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