どんな家に住んでいるか

家の広さなど

 フランス人は、1日平均17時間50分を自宅で過ごすそうです。労働時間が短いし、働いていない人もいるので、こんな数字になるのでしょう。ただしヴァカンスなどで家にいない期間は差し引かれています。

 これだけ自宅にいるわけですから住まいは大切なわけで、家計費に占める住居費も19%と、最も大きい支出項目になっています。

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フランスの世帯の居住環境
割合など
 主住居  家屋を所有している 56 %
 一軒家に住んでいる 57 %
   * 一軒家に住みたい 78 %
   * アパルトマンに住みたい 21 %
 公団住宅(HLM)などの福祉住居に住んでいる 17 %
 平均面積 90 u
 1人当たり面積 37 u
 1軒あたりの部屋数平均 4 部屋
 別荘を所有している 9 %
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快適な住まい

 統計局の「快適な住まい」は次の3つの条件を満たしている住居と定義しています。@ 屋内トイレがある、A 最低1ヵ所の浴室がある、B セントラルヒーティングがある。

 この基準を満たすのは「快適な住居」は91%(別荘は含まない)。1割の住居には浴室が2つ以上、2割はトイレが2つ以上あります。

 一軒あたり平均4部屋(浴室、台所を除く)。パリでは平均3.2部屋に対して、農村部では4.5部屋。5部屋以上ある家は全体の35%。40%は3部屋以下。

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電化製品

 フランスの男性は家事を手伝うと書きましたが、日本では主婦が家事を背負っている割合が高いのに、家事を楽にする電化製品がなぜか普及しないな、と感じます。

 そう思うのは食器洗い機の普及。たくさんの来客があったときには、特に感謝してしまう電気器具です。茶渋がついたティーポットも、新品同様にピカピカになってしまいます。

 食器洗い機は、フランスでは1970年代から徐々に普及しました。データでは所有率が45%というのが意外でした。私の感覚では、普通の家庭で食器洗い機がない家は例外的だと感じていましたから。独身者世帯(24%の世帯)では余り必要としないし、高齢者世帯でもサービスがあって必要がないケースがあるからだとの説明してありました。

 日本でも食器洗い機を見ましたが、小型なので驚きました。フランスのはかなり大型です。はめ込み式のオーブンくらいのスペースを取ります。

 もうひとつ日本にないのは揚げ物器でしょう。フライドポテトを作るのに便利なもので、電気釜より少し大きめの形をしています。フライドポテトは家庭でそれほど食べないでしょうし、揚げ物もフランス料理には余りありませんが、なんとなく持っている人が多いのではないかという感じがします。
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電化製品の普及率 (2003年)
電化製品 所有率 (%)
 食器洗い機 45
 電子レンジ 72
 洗濯乾燥機 27
 揚げ物器 36
住まいの満足度

 住まいの満足度は75%。「大いに満足」と答えた人は29%もあります。「不満足」は7%に過ぎません!

 住まいには支出も惜しまないし、労力もつぎこんでいるからでしょうか。でも、これほど満足度が高いのは、いつも驚いています。

 というのも、フランス人というのは、何事にも文句をつけたがる性格が強いからです。天気が良いと「日ざしがまぶしい」とか「暑い」と言い、天気が悪いと「ひどい天気だ」と嘆く・・・。「仕事が大変だ」と嘆く人は数え切れません。私など、年に5週間以上も休暇をとっていたら(人によっては8週間もある!)、どんなサラリーマン生活でも耐えられてしまうと思うのに! それで、日本人のように何でも耐えてしまった方が人生は明るいのではないかと思ってしまっています。

 ところが、自分の住まいにはかなり満足している。確かに、パリで貧しい生活をする人を除いたら、日本よりは遥かに居住環境は良いとしても、彼らの性格から言って、もっと文句を言うのが普通ではないので不思議でなりません。住まいには力を入れているので、満足しないような家には住まない、ということなのでしょうか?・・・
作成: 2005年2月
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