レシピ 【 デザート】 | ||||||
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よく知られた洋菓子マドレーヌ。 中に何か入っているわけでもないのも味気ないので、わざわざ買うほどのケーキではないと思っていました。 ところが、あるとき、そのマドレーヌを焼いてみようと思ったのです。 |
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この難解な小説を読み切った人は少ないと思いますが、フランスでも日本でもよく知られているエピソードがあります。紅茶にマドレーヌを浸して食べたら昔を思い出した、というもの。 でも、実際の小説では、マドレーヌを浸したのは紅茶ではなく、乾燥した菩提樹の花から作ったハーブティー(リンデン)だったのだそうです。フランスでは「ティヨル(tilleul)」と呼ばれるお茶です。
少し前に買ったフランス王家の紋章の形をしたシリコンケーキ型を使おうと思いついたのです。 マドレーヌといえば貝殻の形をしていて平べったいと決まっているのですが、ちょっと変わったものもおもしろいかも知れない。 この形は「Fleur de lys(百合の花)」と呼ばれる模様で、ブルボン家の紋章。ところがフランスでもこの形に焼けるケーキ型を売っているのを見かけたことはなかったので、日本で買って持ってきたところだったのです。
それでは少し柔らかさにかけてしまうのではないかと少し心配でした。 でも、きれいに膨らんで、こんなに美味しいマドレーヌは食べたことがないと思えるようなのができあがりました♪ 王家の紋章は金色をしているのですが、マドレーヌはこんがりキツネ色に仕上がるので、まさにFleur de lysに見えるのも気に入りました。 |
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マドレーヌの歴史 | ||||||||||
マドレーヌ(Madeleine)は女性のファーストネームです。お菓子のマドレーヌは、これを作った女性の名前だったと言われています。 誰がこのお菓子を作ったかは定かではありません。最もよく言われるのは、18世紀半ばにロレーヌ公スタニスラスがコメルシー城で開いた晩さん会のためにマドレーヌ・ポルミエという名の女性が作ったという説。 ロレーヌ公スタニスラスはポーランド国王だった人で、美食家として知られています。
スペインの北西にあるサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼のシンボルは帆立貝で、このマドレーヌというお菓子は帆立貝の中央を切り出したような形をしています。 いずれにしても、マドレーヌが広まったのはコメルシーの町からだったようです。 スタニスラスの死後(1766年)、コメルシー町でマドレーヌをスペシャリティーとするケーキ屋が登場します。その後、コメルシーの町ではマドレーヌがたくさん作られるようになります。 コメルシー町とマドレーヌが決定的に結びついたのは、パリとストラスブールを結ぶ鉄道ができたときでした(1852年)。コメルシー駅ではホームでマドレーヌを売ることが許可され、乗客たちは数分の停車時間にマドレーヌを競って買ったそうです。 駅弁ならぬ、お菓子のマドレーヌをコメルシー駅で買うブーム。これは20世紀半ばまで続いたそうです。 |
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