木の下にあるのは山羊のチーズを直売する農家の表示 |
5月から6月ころ、森や道端に、白い房の花をつけた木々が目につきます。庭に植えるような木に見えるのですが野生植物。ほんのりと甘い香りが漂います。
フランス人は「アカシア(acacia)」と呼ぶので、アカシアという名前で覚えた木なのですが、正しくは「ニセアカシア「Robinier faux-acacia」あるいは「ハリエンジュ」と呼ぶべき植物なのだそうです。 |
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私が好きなハチミツは、アカシアとラベンダーです。
フランスではアカシアの蜂蜜はよくあるタイプで、この香りの良いハリエンジュの花の蜜をからハチミツが作られるのだと思っていました。
ところが、この木はニセアカシアと呼ばれるのだとすると、アカシアの蜂蜜と呼ばれるものは、本物のアカシアの蜜から作るのだろうかと疑問がわきました。
調べてみると、やはりアカシアの蜂蜜というときにも、この木から作られのだそうです。ただし、例外も存在するのかまでは確認していません。 |
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ハリエンジュの花には、ほんのりとした甘い香りがあります。それを利用して、フランスでは揚げ菓子アカシアの花を天ぷらのようにした、揚げ菓子(ベニエ)のデザートがあります。
ただし、美味しいのだと話題にする人は多いのですが、自分で作ったという人の話しはそれほどは聞きません。ひと昔前までは田舎でよく作ったデザートなのかもしれません。
レシピーをご紹介しておきます。 |
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アカシアの花のベニエ (Beignets de fleurs d'acacia) |
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材料: |
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アカシアの花 12房
ラム酒(キルシュ、コニャックでも良い) 小さじ2杯
砂糖 小さじ3杯
パウダー・シュガー
揚げ油
衣の材料:
小麦粉 125グラム
ビール 20 cl (冷えたもの)
卵 全卵1個+白身2個
サラダ油 小さじ2杯
塩 一つまみ |
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作り方: |
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(1) |
ふるいにかけた小麦粉をボールに入れ、塩を加える。中央にくぼみをつくって卵1個をおとし、かき混ぜなながらビールを少しづつ加える。手早くかき混ぜてからサラダ油を加える。できあがった種を1時間寝かせる。 |
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(2) |
アカシアの花は軽く洗ってから枯れた花を取り除き、10センチくらい房の茎を残す(柔らかい茎でない場合は取り除く)。皿に花を置き、アルコールと砂糖をまぶす。30分くらい寝かせるが、途中で2回か3回花をひっくり返す。 |
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(3) |
揚げ油を180度までに熱する。 |
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(4) |
(1)の衣をかき混ぜ、ホイップした卵2個の白身を加える。 |
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(5) |
アカシアの花を④につけ、余分な衣を取り除いてから油で手早くカラリと揚げる。 |
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(6) |
パウダー・シュガーをまぶし、熱いうちに食べる。 |
自生している良く似た黄色い房をつける木もあるのですが、
揚げ菓子として使えるのは、白いハリエンジュ(ニセアカシア)の花だけだそうです。 |
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一般的な「ベニエ」と呼ばれるお菓子(ドーナツ型をしていないドーナツのようなもの)については、「ブルゴーニュの日々」のコーナーで書いています。
カーニバルの季節のお菓子: ベニエ |
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フランスでは普通には「アカシア)」と呼ばれているに、本当は「ニセアカシア」。日本でもアカシアと呼ぶ人があるのは同じようです。
学名はRobinia pseudoacacia。
pseudo は「偽りの」という意味ですから、学名からしてニセモノとされているのですね。
となると、本物のアカシアとは何なのかが気になります。
アカシアはマメ科アカシア属、
ニセアカシアはマメ科ハリエンジュ属
という分類になります。
どうやら、アカシアと特定する植物はなくて、マメ科アカシア属を総称する呼び名であるだけのようです。アカシアの一覧を写真で見れるサイトを探してみました。
詳細な図鑑は見つからなかったのですが、6種類のアカシアをきれいな写真にして入れている園芸店のサイトがありました ↓
品種選べる!アカシアコレクション3号ポット
こちらの園芸店では、もっとたくさん、30種類くらいのアカシアを扱っていて、ニセアカシアも入れて一覧にしています。
私にとっての「アカシア」は「ニセアカシア」で、「アカシア」とされているのは「ミモザ」と呼びたくなる分類でした。混乱してしまいます!
ミモザ (内部リンク)
野生のニセアカシアは白い花が咲きます。よく似た黄色い花のものもあるのですが、こちらは品種が異なるようです。庭に植えるために売られているニセアカシアの方は、ピンクの花が咲くものもあります。 |
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