私たちの牧場

牧場の牛たち

 私たちの農場では乳牛を飼育しています。ミルクを絞る牛は80頭くらいいます。

 牛たちは牧場に放し飼いにされています。でも寒い冬には、牛たちは小屋の中で生活します。小屋の中での生活は窮屈なのでしょうね。春になって牧場に出されると、みんな、とても嬉しそうです。

 生まれたばかりの子牛たちは、一頭ずつ犬小屋のような小屋に入っています。

 かわいいでしょう? 耳に番号なんかつけられているのはかわいそうですけど・・・。

 フランスでは20種類以上の乳牛が飼育されていますが、私たちの牧場では黒と白のブチの牛を飼っています。Prim'Holsteinという種類です。寒さにも強くて育てやすいのだそうです。

 私たちの牧場はラングルという地方にあります。少し高地になっていて寒さが厳しいので、天気予報で全国の最低気温を言うときに、よく引き合いに出す地域なのです。

フランスのカウボーイ

 乳搾りの時間になると、牛たちは搾乳室の建物に集まってきます。賢いでしょう?

 でも中にはやって来ない気まぐれな牛たちもいるので、カウボーイが呼びに行かなければなりません。

 昔は犬が牛を集めたりしたそうですが、私たちの牧場ではクアッド(quad)という乗り物で牛を探しに行きます。牧場は広いので、人間が歩いて探しに行ったら日が暮れてしまうのでしょうね。

 この乗り物は牛を集めるために作られたわけではないそうです。デコボコの道でもドンドン走れるので、遊びでも使われているそうです。

 遊園地の乗り物のようで楽しそうでしょう? 牛集め役のお兄さんは、いつも嬉しそうな顔をして牛を探しに出かけます。

ATV e-ton社製四輪バギー【 VIPER 90 -Blue- 】
編集部より:

 クアッドは日本語では「四輪バギー」といいます。

 ☆ 公道走行可能バギー: 四輪バギーってご存知ですか?

首につけた名札で管理

 私たちの牧場はとても近代的になっています。牛たちには番号をつけたオレンジ色の首輪が付けられていて、牛たちの健康などを管理しているのです。

 オランダのような大規模経営の酪農家ではよく行われているシステムだそうですが、フランスではまだ珍しいんですよ。


ミルクの搾乳

 搾乳室にやって来た牛たちは順番に並んで待ちます。私たちネコにはできないことなので、見ているといつも感心してしまいます。

 私たちの農場は搾乳室も近代的です。

 乳が絞り終わると、自動的に搾乳の機械が取り外されるようになっています。

 絞られてミルクの量は、牛の番号と一緒にコンピュータに記録されます。この日の夕方の最高記録は首にbR5の名札をつけた牝牛で、14.5リットルのミルクを出しました!

そして私たち

 酪農家の仕事はとても大変なんですよ。毎日、毎日、朝と晩に牛を集めてミルクを絞らなければならないのですから!

 でも私たちの農場では、家族5人で会社をつくって大規模に経営しています。だから順番に休暇もとれるのです。

 ママは、広々とした田舎に住んでいるのでヴァカンス旅行をしなくても良いのと言っています。でも何処にも行かないで休暇を過ごしていると、パパが何となく牧場を見に行って、ついでに、つい仕事もしてしまうのだそうです。それで、気分転換のために休暇旅行をすることにしたのだとママが言っていました。

 今年は北フランスの海岸に行って2週間の休暇を過ごしています。2週間もおいてきぼりにされてしまうのは寂しいけれど、私たちは旅行が好きではないので家を守っています。牛たちも時々見に行って、すべて順調に行っているかどうか監視しています。

 あと数日したら家族の人たちは帰って来るそうです。留守番のご褒美には何を持って来てくれるのかな〜・・・。



 日本にも酪農家の見学や体験ができる酪農教育ファームというのがあるそうです(酪農教育ファームのサイトへ)。その中のどこかの酪農家を訪問なさってくださったら、牧場での私たちの生活ぶりがもっとよく分かっていただけると思います。

私たちのミルクからつくるチーズについては、「ブルゴーニュだより」で紹介しています


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