投書より

フランスで一番幸せなネコ一族 (コルシカ島)
Découverte du Paradis des chats en Corse

 天国のようなネコの王国  1/2
  
メフィスト編集長 (Méphisto) 様へ
コルシカ特派員にして欲しいと思っているネコより
 コルシカ島からお便りします。

 ナポレオンが生まれた島として有名ですが、ナポレオンはパリにばかり目を向けていて、コルシカ島には何もしてくれませんでした。彼の親族が富を築いただけです・・・。

美しいコルシカ島

 コルシカには大陸のフランスにはない大自然が残っているので、たくさんの観光客が訪れています。でもフランスには沿岸の観光開発に厳しい規制があるので、いくらたくさん観光客が来ると言っても環境は破壊されていません。

 島の地形は変化に富んでいるので、何処に行っても、それぞれ違う美しさがあります。でも海の美しさは格別です! 背景に使った地中海の海の色を見てください。海の水面を写した写真を加工して作りました。きれいな色でしょう?

 コルシカに憧れるフランス人はたくさんいます。産業が全然発達していないので美しいのです。経済としてあるのは、細々とした農業と観光くらいなのですから。

 そんな美しいコルシカ島の中でも、特に絶景と評判の高い山の中腹にネコの王国があると聞いたので訪れてみました。


天国を思わせるネコの王国

 コルシカ島に来た観光客が旅の思い出を語るときに、必ずと言って良いほど出てくるボニファシオという町。その断崖が切り立った美しい町を望む山の中腹に、ネコたちが王国を築いているのです。

 場所は「三位一体エルミタージュ」という名で知られています。「エルミタージュ」とは「隠遁者の庵」という意味です。

 昔は修道院がありました。地元のお年寄りは、20世紀の初めまでは修道僧たちがいて、サルジニア島から移民するために泳いでやって来た貧しい人々を受け入れていたと言っています。

 人里離れた美しい別世界が広がっていました。こんな所なら、俗世間を忘れて清い宗教生活を送れただろうと理解できます。

エルミタージュの前に広がっている景色
海の向こうに見えるのは、イタリアのサルジニア島
 教会の周りはきれいに整備されているので、人間たちが今でも聖地として使っているのかも知れませんが、私が訪れた冬には人っ子ひとりいなくて、迎えてくれたのはネコたちだけでした。

 一番初めに迎えてくれたのは黒ネコ。まだ幼いので王国のことはよく分からないと言いながらも、美しい風景が見える場所をあちこち案内してくれました。

「マキ(maquis)」とよばれるコルシカ島独特の潅木地帯の向こうに、ボニファシオの町が見える
 これは森の中の小道を通って行くと見える風景なので、黒ネコ君が案内してくれなかったら見落としてしまうところでした。

 写真ではボニファシオが見えにくいと思うので、下に、反対の方向からとったボニファシオの風景写真を入れておきます。 



 黒ネコ君と親しくなって散歩していると、あちこちから、次々にネコが現れてきました。そして、ネコ王国の王様も姿を見せました。
お話は続きます 
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