シャより 3/3
ブルゴーニュのワイン農家に暮らして

Etre vigneron en Bourgogne
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 掘り出し物のワイン 「クロ・サロモン」

掘り出し物のワインだと言われています

 実を言って、僕はワインを飲まないので、うちのワインがどんな味なのか知らないのです。

 でも、買いに来る人たちは「とびきりおいしいワインだ!」と言っています。

 うちのワインみたいのを、「掘り出しもののワイン」というのだ、と言っている人もいました。

 ワインの価格に関しては、「そんなものだろう」と思って買う普通のワインのほかに、次のような5つのカテゴリーがあるのだそうです。

  ① おいしいけれど、高すぎる
  ② おいしいけど、安い
  ③ まずいのに、高い
  ④ おいしくないけど、安い
  ⑤ 安いけれど、飲めたものじゃない

 それで、うちのワイン「クロ・サロモン(Clos Salomon)」は②に属するんだそうです。

 もともとジヴリーでは質の高いワインがつくられるのですが、ワインを余り知らない人は知らないような存在なので、掘り出し物なのですが、「クロ・サロモン」はカテゴリー②の中でもトップクラスに位置するのだそうです。

質の高いワインづくり

クロ・サロモンのワインセラー

 昨日来たお客さんは、ジヴリーの赤ワインを色々飲んだけれど、うちのクロ・サロモンが一番おいしい、と言っていました。はるばる遠くから買い付けにいらしたそうなので、本当にそう思っているのだと思いました。

 おいしいワインをつくるのには条件があります。

 土地が適していること、畑の手入れが良いこと、収穫は手で行うこと、ワインの醸造技術があること。

 うちは、それをすべてクリアーしているのです!

 もちろん僕も、微力ながら仕事を手伝っています。

 お客さんが来ると、ワインを試飲してもらって、それで気に入ったら買っていただきます。

 注文が出たら、僕が登場して、ちゃんと計算違いないかチェックするのが役目になっています。

 僕の毛は黒いので、ワインを入れるダンボール箱に乗るとコントラストがあって絵にもなります。

 おじさんは箱に毛が付くと目立つと言って、僕が箱から降りると、手で箱を払って掃除したりしていますが・・・。

 うちではおじさんたちが中心になって働いています。

 とっても良い人たちだと思います。

 秋にいらしたお客さんで、ワインを飲みながら、「ブドウの収穫が終わったのに、ブドウがたくさん残っていますが、どうしてですか?」なんて質問している方がありました。

 なにもブドウが残ったからって、その人が心配することはないのに!

 でも、僕の若いおじさんは親切なので、ちゃんと絵を描いて説明してあげていました。

 ブドウの木は、こんなふうに枝が伸びて、収穫が終わったあとも成長し続けて・・・、それで実がなるのだ・・・。

 だから、摘み残したブドウではない・・・。

日本でもクロ・ソロモンは手に入ります

 「クロ・サロモン」という銘柄は、僕のところがモノポールになっています。

 だから「クロ・サロモン」とラベルに書いてあったら、僕のワインだという確信を持てます。

 ずっと前から、日本にも輸出されているそうです。誠実に仕事をしてくれる輸入業者なので、おじさんたちも信頼しているそうです。

 このページを訪問した方が、どこかで僕たちのワインを味わってくださったらとても嬉しいです。

クロ・サロモンを扱っている日本のお店を見てみる

他にも売っているお店はないか検索してみる

ジヴリー 赤ワイン
クロ・サロモン 一級

ところで僕は「シャ」と呼ばれてます

 僕の名前をお知らせするのを忘れていました。

 おじさんたちからは「シャ(Chat)」と呼ばれています。

 フランス語でネコのことはChatというのですから、名前を付けられていないということなのでしょうか?・・・

Appeler un chat un chat. (猫は猫と呼ぶ)
 そういう諺がフランスにはあります。歯に絹をきせずに、ありのままのことを言う、という意味です。

 「犬は犬と呼ぶ」という表現はないのですから、なんだか変な気がしています・・・。

 「クロ・サロモン」という銘柄の、「クロ(clos)」という言葉は、耕作地のことで、塀で囲まれたブドウ園も「クロ」と呼ばれます。ブルゴーニュには「クロー・ヴジョー」という、観光客も行くブドウ園がありますが、それと同じ「クロ」です。

 僕は黒猫ですから、「クロ・サロモンにふさわしい!」と言う日本人もいました。でも、おじさんたちには言ってくれないので、僕は黒いことで褒められたこともありません・・・。

 「Clos(クロ)」という名前にしてくれたら良かったのに・・・。

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2005年12月
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