お正月が過ぎてから、今年はどんなことをしようか?・・・とずっと考えていたのですが、
ようやく見つかりました。
ボクはピアニストになろうと思うのです!
苦肉の策で弾いてみたピアノ
去年、ボクが部屋にいることを知らなかった家の人がドアを閉めてしまったとき、真夜中になって昼寝から目が覚めたボクが「ミアウー!」と叫んでみてもドアを開けてくれません。
そこで、その部屋にあったピアノの鍵盤の上で歩いてみたんです。
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家の人は、泥棒が入ったか(ピアノを弾く泥棒なんているんでしょうか?)、お化けが出たかと驚いて、すぐに部屋にかけつけてくれました。それでボクは、スルリと部屋から出ることができました。
それ以来、何回か部屋に閉じ込められることがありました。部屋の隅にあるソファなんかでウタタ寝することが多いのですが、かと思うと、まる1日外出しているような多忙な日もあるので、ボクが何処にいるか余り心配してもらえないという不幸な事情もあるのです。
でもピアノが夜中に響くと、すぐにボクがいると分かってもらえるようになりました。
眠い時は泥棒がピアノを弾いているくらいでは起きては来ないでしょうが、ボクが閉じ込められていると分かるので、慌ててベッドから出てくるようです。
ボクには才能がある!
苦肉の策で弾いたピアノなのですが、なかなか良い演奏すると評判になりました。それで、もしかしたらボクはピアノの才能があるのではないだろうか?・・・と思ったわけです。
フランスの作曲家ラベルの作品の中には、戦争で右手を失った友人のピアニストのために作曲した『左手のための協奏曲』があります。一つの腕で弾いているとは思えない名曲です!
考えてみると、ボクは4本の手足をつかって演奏できます。人間たちが驚くようなみごとな演奏ができるのも無理はありません。
問題は、ボクの才能を発揮させてくれるような、『4つの腕のためのピアノ曲』のような作品はあるかどうかです。そんな曲があるかどうか探していたのですが、連弾のピアノ曲というのがあると教えてもらいました。
ボクは怠け者なので、ピアノが上達するかどうか保証できません・・・。でも、いつかボクのピアノ演奏会が開かれて、世界中で有名になるかも知れません・・・。夢は大きく持たなくちゃ!
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皆さまにとっても、2004年は新しい道が開かれる年になりますように |
・・・と、ここまで書いて編集日記に載せたのですが、その後、なかなかピアノが上達しないので落ち込んでしまいました。
家族のみんなからも期待されているのに・・・。
そもそも、ピアノを弾かなければならないような状況にならないと、ピアノに向かう気がしないのです。
ボクは怠惰なネコなのでしょうか?・・・ そう思うと、ボクのようなネコは何をしても成功しないのではないだろうかと心配になってきました。まだ決心してから1カ月も立っていないのだから、まだ諦めるには早いとは思うのですが。
歌手になった方が良いかとも考えました
ところでボクはよく鳴くので、「クイヌー」というあだ名がついています。人間の赤ん坊などもピーピー泣いたりすることを意味するcouiner(クイネー)という動詞があって、それから作った「泣き虫」というような意味です。
気に入らないあだ名ですが、これはボクの才能を表現しているとも受け取れます。ともかくボクはよく発声するので、ピアノより歌手になる方が向いているかな?・・・と思い始めました。
クリスマスのときには、テレビで、犬たちがクリスマスキャロルを歌ったあとに、ネコたちのコーラスの放映がありました。確かジングルベルという簡単な歌でした。あんなのに比べたら、ボクの方が上手に歌えると思います。
とりあえずは、ロッシーニの「ネコのデュエット」という曲で発声練習をすると良いだろうと言われました。これだと歌詞はなくて、「ミアウ〜、ミ〜アウ〜」と歌えば良いだけなのだそうです。普通は人間が歌っていますから、ボクなどが歌えば素晴らしく感動的なものになるでしょう。
もっと本格的に、ネコたちだけが演じるオペラなんていうのは人気を呼べるのではないでしょうか?
もうすでに存在しているのかも知れないと思わせる絵も見つけました。
音痴のネコもいるようですが、僕は音感に優れていると思います。
ソプラノでデビューしたいと思います! ・・・そう宣言したら、コントラテノールの方が良いのではないか、と言う人もいたのですが、ボクはどっちでも良いと思っています。
楽譜って時代遅れなシロモノ!
なぜボクはピアノが上手にひけないかの原因らしきものを教えてくれた日本人がいました。
日本では、「楽譜はオタマジャクシで書かれている」と表現するのだそうです。
「オ タ マ ジャ ク シ? なに、それ ??・・・」
そう言ったら、カエルになる前の、魚みたいな、虫みたいな生き物なのだと教えてくれました。
考えてみると、ボクは夏にカエルを捕まえたことは何回かあるのですが、オタマジャクシは見たことがありません。楽譜が読めないのも無理はなかったのです。
楽譜がネズミの絵で書かれていたら、ネズミを追いかけるには張り合いがでるので、いくら怠け者のボクでもはりきってお稽古するでしょうに・・・。
歌曲もオタマジャクシで書かれているのでしょうね?・・・ そうなると、オペラ歌手になるのも難しいでしょうか?・・・
ともかくピアノや声楽のお稽古は棚上げして、夏になったら、池の中を覘いて研究してみようと思います。でも夏になるまでは、まだ長いこと待たなければなりません。
夏を待たなくても、ネズミで現した楽譜が出版されたら良いな〜と願っているこの頃です。
でも、最近の世の中は目まぐるしく進歩しています。コンピュータだってネズミで動くようになっているのですから、楽譜がオタマジャクシで動くようになっているのは、いかにも時代遅れだと思います。
21世紀には、コンピュータを使いこなした人なら誰でも演奏できるように、マウスで描かれた画期的な楽譜を発明する人が出てくることは確実だ、とボクは信じています。
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2004年1月 |
さらに、ずっと後になって・・・
その後のボクなのですが、決定的にピアノを練習するのは止めました。
下のビデオを見せられて、「あなたも頑張ったら?」と言われたのです。でも、ボクは、競争心なんかないんだもん・・・。「ボクはダメだ・・・」と思うことはやらない方針にして生きています。
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