メフィスト編集長 (Méphisto)の編集日記
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時事問題には興味がないボクですが、時々はニュースを見ています。 今年に入ってしばらくたつと、テレビニュースは変でした。画面に地球が映っていて、そこに鳥が飛んでいる。鳥はだんだんヨーロッパ大陸に近づいてくる・・・。 鳥には興味がありますから、毎日眺めていました。 そのうちニュースは暗くなってきました。ヨーロッパで鳥インフルエンザが見つかった。・・・フランスでも見つかった・・・ そして、突然飛び込んだニュース。ドイツでネコの死体が見つかって、これは鳥インフルエンザにかかった鳥を食べて死亡したのかも知れない! 今からもう1カ月前のことです。 そのニュースを聞いて、ネコの外出禁止令が出るのではないかとボクは心配しました。 冷たい人間たち・・・ その後、悪いニュースは知らない方が良いと思ってニュースを見ていませんでした。しばらくしてニュースを見たボクは、びっくりしてしまいました。 事態はボクが想像していたよりも悪く発展していたのです! 鳥インフルエンザがネコを通して人間に移ったら大変だ、とパニックになった人間たちの中には、一緒に住んでいたネコを捨ててしまうという非人道的な人が現れていたのでした。 鳥インフルエンザが出た地域に近いリヨンという大きな町のSPAの人がテレビに出て、収容されるネコが激増した話していました。SPAというのはフランス全国に支部がある動物保護協会で、ホームレスのペットを収容して、新たな家族を探すという活動もしています。 「夏のヴァカンス期と同じくらいの数のネコを収容しました」 思い出しました。長いヴァカンスをとる習慣があるフランスでは、旅行に連れて行けないペットの処置に困って捨ててしまう人たちがいるんです。 犬なんかは家に戻って来てしまうので、木に縛り付けたりまでしてしまう人がいると聞きました。ひどいにも、ほどがあるではないですか!!! 鳥インフルエンザのとばっちりで捨てられた可愛そうなネコたちがテレビに映って、この子たちをもらってくれる人を探しているのだとSPAの人が言っていました。 生まれたときからホームレスだったネコには強い生きる力があります。でも、今まで家で暖かく暮らしていたのに、ある日突然放り出されたら・・・。ぞ〜っとしてしまいます! ドイツでの捨て猫の数は、もっとひどかったそうです。 ネコに鳥インフルエンザが感染する心配はないと科学的にも証明され、フランスの首相も農林大臣も、鳥インフルエンザのことでネコを捨てるような狂気は起こさないように、と公の席で話してくれたそうです。 日がたつと、人間たちのパニックは収まってきたようです。ネコを捨てた人たちは一次的なパニックだったと思います。 でもショックを受けたボクは、まだ立ち直っていません・・・。 それで、今日『ル・モンド』というインテリを対象とした新聞の記事を読んだら、むしろ心温まるような思いがしてしました。 この新聞記事は、「ネコのおしゃべり」の方に入れました。 |
2006年3月 |
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