ゲンチアナ
Gentiane jaune

 夏の野原で最も目立つのはゲンチアナかも知れません。

 リンドウ科の植物なのですが、なにしろ背丈が1メートル前後あるのですから、草むらから飛びぬけているのです。

Gentiane jaune

 500メートル以上の山岳部に生えると図鑑には書いてありましたが、ブルゴーニュでは平地の林道などでもよく見かけます。

 春先、あちこちにゲンチアナの葉が地面から出てくるときには、大きなランの花、もしかしたらビーナスの木靴だろうかと期待してしまいます。

 そのうち葉はどんどん巨大になっていくのでゲンチアナだと分かってきます。

近寄って愛でてみたいと思うこともない花だったので、
この際、写真で花を観察してみました!
 フランスではゲンチアナの根を使ってお酒をつくります。食前あるいは食後に飲むアルコール飲料です。フランス語でジャンシアンヌというお酒の名前だけは聞いたことがあったので、ジュラという中山間地方を旅行したときに、評判の良い醸造所で名物のジャンシアンヌ酒を試飲してみました。

 ところが、まるで薬のような強い味! お世辞にもおいしいとは言えません! 薬草酒の味がしたのも当然。現代の医学でも証明されているほど、様々な効果がある薬草なのです。

 フランスには薬草からつくる酒は色々あるのですが、その中でも特に薬っぽい味が強すぎると思ってしまいました。でもゲンチアナ酒が好きだと言う人もいます。フランス人は健康に良いからなどと不味いものを飲んだり食べたりはしない人種なので、本当に好きだと感じているはずです。飲み慣れると、その強い味がたまらなく良いと感じられるようになるのでしょうか?・・・

 そもそもコカコーラだって、同じくらいおかしな味がすると思うのですが(子どものときに飲んだだけなので味は定かには覚えていませんが)、飲みたくなる中毒としての効果がある味が入っているのだといいますから・・・。
同じリンドウ科の植物には、こんな可憐な花もあります

ゲンチアナを描いたジャン・コクトーの壁画もあります
更新:2004年7月
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