メフィスト編集長 (Méphisto)より
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ボクと一緒に写真に写っているのは「日本のアネモネ」という名前の植物です。本当に日本にはこんな花が咲いているのかどうかは、ボクには分かりません。どんな植木でも「日本の・・・」という名前はつけると貴重に見えて高く売れるから、植木屋さんが勝手にそう呼んでいるという可能性もあると思います。 ボクが住んでいるブルゴーニュの9月はとても美しいと言われています。なんと言ってもワインになるブドウ収穫の時期なので、そう言われているのかも知れません。 ワインの話しなどを書いてしまったのは、ボクの家にやって来るホームレスの猫の名前がムルソーというワインの銘柄の名前になったという話を聞かされたからです。 この猫(右の写真)は、初めはアルベルティーヌという名前でした。アルベール・カミュというフランスの作家(『異邦人』を書いた人)にちなんで(猫は異邦人だったから)、アルベルティーヌという名前がついていました。アルベールというのを女の子の名前にしたのです。 でもアルベルティーヌは実は男の子だった、というのが家の人たちに分かりました。それで『異邦人』の主人公のムルソーという名前に変えられたのです。ボクはオス猫がアルベルティーヌなんて呼ばれているので面白がっていたのですが・・・。オスだ! ということになったら、ムルソーなんて立派そうな名前になってしまったので、ちょっと嫉妬しています。 ムルソー、つまり旧アルベルティーヌは、何でも食べる猫です。ボクたちが嫌いなワインで煮込んだ料理なんかも平らげてしまいます。ムルソーというのはブルゴーニュの白ワインの銘柄なので、ワインの煮込み料理が好きなのも当然! なんて、家の人たちは言っています。 最近は食事の時間に庭で待機していて、家の人の姿が現れると「ミアオ〜!」なんて言って愛嬌をふりまいています。ボクには意地悪することもないので喧嘩もしていませんが、お友達になる気持ちもないので無視しています。 |
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