フランスの正月

Au gui, l'an neuf !
日本の新年は、フランスではクリスマスに相当するような気がします。家族で集まるのがクリスマスで、大みそかは友人たちと集まって賑やかに新年を迎えるのが普通だからです。

クリスマスの飾りも、まだ新年が過ぎてからしばらく飾ったままにしています。それで、新年はクリスマスの延長のお祭り気分。
 
「新年おめでとう(Bonne Année)」のメッセージも、
クリスマスのイメージと同居していたりします!


フランスの門松はヤドリギ

今では風習が薄れてきてはいるのですが、新年に飾るのはヤドリギ(gui)です。

クリスマスリースのように、ヤドリギを玄関のドアに飾ったりするので、どこか門松に似ています。

広葉樹の葉はすっかり落ちて、木々が死んだように見える冬、青々とした葉をつけている植物が何か不思議力を持っているように見えるのは、どこの国でも共通した感覚なのでしょう。しかもヤドリギの方は、この時期には真珠のような実を付けています。

ヤドリギの下に立ってキスをすると、その一年が幸せになのだとか。ケルト人の風習なのだそうです。

下に入れる写真のパーティーでも、午前0時になったときには、ヤドリギの下に行き、皆で抱き合って新年を祝いました。

ヤドリギの下では「Au gui, l'an neuf !(オ・ギー・ラン・ヌッフ)」と言って新年を祝うのが正式。でも、今日ではほとんど耳にしません。
ヤドリギについては「野に咲く花々」のコーナーの「冬: ヤドリギ」でご紹介しました。

大みそかは大騒ぎ

除夜の鐘を聞きながら厳かにとお正月を迎える日本とは対照的です。フランスの大みそかには友人たちと集まって、ご馳走を食べながら大騒ぎをするパーティーに出席する人が多いです。

大晦日は、フランスでは「Réveillon de la Saint-Sylvestre」と呼びます。

クリスマスも大晦日も、一人で寂しく過ごす人は少ないのではないかと思います。何も予定が入っていないと分かると、誰かしら誘ってくれる人がいるはずです。

これもクリスマスパーティーと同じで、ご招待してもらえば気が楽ですが、自分が主催するとなると大変!
新年を迎える大みそかのパーティーの飾りつけ
大きなヤドリギが備え付けられました
新年の挨拶は「ボンナンネ」

フランス語で「新年おめでとう!」と言うときには、「Bonne Année(ボンナンネ: 良い年を)!」と「Meilleurs voeux(メイエール・ヴー: 最高の願いをこめて)!」と言うことが最も多いです。どちらか片方言えば良いわけでしょうが、2つとも言うのがベスト。

ただし、日本語と少しニュアンスが違うかも知れません。次に会うのは新年があけてからだという相手には、「良い年をお迎えください」という感じで言ったりもします。

それから「Bonne santé(ボンヌ・サンテ: 健康を祈って)!」などを付け加えることもよくあります。何でも相手にとって幸せになることを祈ってあげれば良いわけなので、人によって様々なことを言っています。仕事、お金、成功など...。

「乾杯しましょう」という下のメッセージでは、
幸運、成功、幸福、健康を祈っています。

年が明けてから人に会うと、新年の挨拶をするのが礼儀。大みそかのパーティーで一緒ではなかった親類や友人には、挨拶に行くのが礼儀でもあります。大みそかのパーティーで年があけた時刻には、皆いっせいに電話しまくっています!


年賀状かクリスマスカードを送る

外国に知り合いがいる方は、クリスマスカードを送るというケースが多いのではないでしょうか? フランスでは、年賀状を送るケースの方が多いのではないかと感じています。でも、私がクリスチャンではないのを知っている友人たちはは年賀状の方を選ぶからそう感じているのかも知れません。


フランスにも年賀状を送る習慣があるのですが、日本ほどには年賀状は送らない感じがします。日本では個人が100枚も300枚も送ったりする人が多いと思うのですが、フランスでは商売をしている人でない限り、そんなには送らないと思います。少なくとも、新年に会ってお祝いを言える機会があるのが分かっている職場の人などには送らないのが普通ではないでしょうか?

それと、親しい人にグリーティングカードを送るのであって、義理で出すというのも少ないです。ただし、会社がお得意さんなどに味気ない年賀状を出すというのは日本と同じですが。

日本のように元旦に年賀状が届かなければいけないというのはありません。1月中に年賀状を出せば良いという感じです。

日本と違うのは、ハガキの年賀状は出さないこと。そもそも、先から出す絵葉書でもない限り、フランスではハガキを使う習慣がありません。郵便葉書があるわけでもありませんし、ましてや年賀葉書などは存在しません。。

最近では、メールで新年の挨拶を送る人も増加しているのだそうです。2008年末のアンケート調査では、フランス人の6人に1人くらいがインターネットを利用して年賀状を送るという結果が出たそうです。会社などがメールの年賀状を送ってくるは、おびただしく多いですね。

年賀カードのようなデザインをオンライン送信できるサイトも数多くあります。
例えば、こちら


その他の風習

新年に大統領が国民にメッセージを送るというのがフランスの習慣。テレビで放映されます。
過去の新年スピーチのビデオ (フランス国立視聴覚研究所サイト)


それから、1月6日はエピファニーの祭りとなり、ガレット・デ・ロワというケーキを食べるのも、お正月らしさを感じる風習です。

1月中旬になると、クリスマスの飾りも取り外され始めます。
作成: 2008年1月 更新: 2009年12月
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