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ローマ帝国でもカタツムリを食べていた | |
カタツムリなどというものを初めて食べた人は勇気があったと思います。フランスでは戦争中の食料不足の時代にエスカルゴを食べ始めたのだろう、などと思ってしまいませんか? エスカルゴはフランス料理として有名なのですが、実は、古代ギリシャでもローマでもカタツムリを食べていたのだそうです。特にローマ帝国時代の人々はグルメでしたから、カタツムリを太らせてから食べるようにカタツムリの飼育場 (cochlearia) も持っていたのだそうです。 中国でも古くから漢方薬して知られていたそうで、エスカルゴには色々な薬効があるのだそうです。 フランスの森にキノコを探しに行くと、ブルゴーニュ・エスカルゴの殻をとったくらいの大きさのナメクジがたくさんいるのが目立ちます。森にいるナメクジはオレンジ色をしているので、特にジロルというキノコを探しに行ったときには、遠くに見えるナメクジをジロルだと思って喜んでしまうことが多いです。 内部リンク: 森のキノコ(ジロル、セップ、トロンペット・ド・ラ・モール) ナメクジも食べてみたらエスカルゴに近い味がするでしょうか? もともとエスカルゴ自体には味はほとんどなくて、ソースで味が決まるのですから。でも、1ページ目で書いたように、食べるエスカルゴは限定されているし、昔の人たちがナメクジを食べて今日の料理として残したということもない以上、ナメクジは食べてみても不味いのではないでしょうか? あるいるは、ひょっとして毒だったり?... |
エスカルゴの養殖事情 | ||
ブルゴーニュにはエスカルゴ・ド・ブルゴーニュという珍重されるカタツムリがいるのではありますが、それを捕って食べるのは、かなりの僻地に住んでいる人たちの話しです。普通の人たちは缶詰や冷凍したもの、あるいはオーブンに入れれば良い状態のものを買います。 環境破壊によってエスカルゴの数が少なくなってしまったので、フランスで食べられているエスカルゴ・ド・ブルゴーニュと呼ばれる種類のエスカルゴのほとんどは東欧から輸入したものなのだそうです。 フランス人たちは、このエスカルゴ・ド・ブルゴーニュは養殖が不可能なのだと言います。ところが「世界で初めて、日本でブルゴーニュ・エスカルゴの養殖に成功した」という話を聞きました。それなら、なぜフランスで養殖しないのか?... エスカルゴをそれほど高い値段では売れないフランスでは、繁殖が難しいエスカルゴの養殖は採算ベースにならないので養殖する人がいないのではないかと思います。 フランスで養殖されているエスカルゴは、「プチ・グリ」と「グロ・グリ」。これらは生まれてから成熟されるまで6カ月であるのに対して、エスカルゴ・ド・ブルゴーニュの方は2年かかるのだそうです。 グリの方はよく採算がとれるくらいに繁殖するそうで、フランスでも養殖が行われています。 |
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エスカルゴ養殖農家を見学したときの写真です。あまり食欲はそそられませんでした...。 |
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エスカルゴの養殖には技術を必要とするうえ、大変難しいようです。養殖を初めてから2年たつと、95%は事業を諦めざるをえない状態に追い込まれるそうです。商品として販売するためには、下ごしらえまでしなければならない。SMIC(全産業一律スライド制最低賃金)を稼ぐただけも、15~20万匹のエスカルゴを育てて、週50時間の労働をしなければならないとありました。 Source: L' Héliciculteur (職業訓練サイト) ところで、エスカルゴ(escargot)の養殖場はescargotièreと呼ばれます。ちなみに、エスカルゴ養殖業者の方はhéliciculteur。 |
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エスカルゴ養殖所のビデオ La ferme aux escargots フランスでのエスカルゴ養殖に関する情報: Escargot de l'élevage |
エスカルゴに絵を描かせる | ||
最後にお遊びのお話し。 ブルゴーニュの町で行われたイベントに行って、エスカルゴを養殖して加工して販売している農家のブースで買い物をしたとき、こんなものが目に入りました。 |
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子どもたちがエスカルゴの養殖を見学に来たときのアクティビティーとして、エスカルゴに絵を描かせるというのをしているのだそうです。紙の上に絵の具を置いておき、その上をエスカルゴに もう少しエスカルゴに努力してもらわないと芸術作品とは言えない作品に見えますが、面白い試みです! |
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エスカルゴ(食品)を楽天市場で検索 |
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作成:2003年6月 最終更新:2018年11月 |
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