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キールはカクテルの一種なのですが、作り方はいたって簡単です。グラスにカシス(黒すぐり)のリキュールを少し注いでから、冷たく冷やした白ワインを注ぐだけなのです。スプーンなどでかき混ぜる必要もありません。 ただし、おいしいキールになるかどうかは、材料とするカシスのリキュールと、白ワインにかかっています。 キールの本場ブルゴーニュでは、材料となる2つの飲料にこだわりがあり、以下の条件を満たしていなければ本物のキールとは認めません。 白ワインとしては、ブルゴーニュで生産される「アリゴテ」を使う! アルコール度の高い「クレーム・ド・カシス」を使う!
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アリゴテでない白ワインを使った食前酒は、「キール(Kir)」とは呼ばずに、「ブラン・カシス(Blanc cassis)」あるいは「ブラン・カス(Blanc cass)」と呼ぶのが正式です。 クレーム・ド・カシスはかなり甘いリキュールですので、それとカクテルする白ワインには、酸味の強いアリゴテが適しています。 アリゴテはブルゴーニュワインの中では安い方のワインです。上質の白ワインを使ったら上質のキールができるわけではありません。第一、カシスのリキュールでワインの味は消されてしまうので、高級白ワインを使うのはもったいないです!
アリゴテを使わない場合でも、必ず辛口のワインをお使いください。もっとも、アリゴテにも色々あります。キール用のアリゴテを探すときには、できるだけきついワイン、つまりそのまま飲むには口当たりが悪いくらいに渋いワインを選んでいます。つまり、ミレジムは古くないものを選ぶと良いでしょう。 |
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キールの味はクレーム・ド・カシスで決まると言っても過言ではありません。できるだけ質の高いものをお選びください。キールの本場である「ディジョン」と明記してあるものも選択の助けになるでしょう。 おいしいキールをお望みでしたら、クレーム・ド・カシスにこだわってください。これによって味は大きく変わります!
ただし、クレーム・ド・カシスはアルコール度強いので、お酒に弱い方はシロップで良いのかも知れません。それでも、しつこく、クレーム・ド・カシスの割合を減らして、白ワインが色づく程度のキールを味わっていただきたいですが...。 |
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パリのカフェなどでとんでもないキールがでてるのは、白ワインがアリゴテでない以上に、ひどいカシスのリキュールを使っているからだと思っています。リキュールではなく、シロップさえも使っているよくあります。カクテルランクを下げれば、偽物のキールはいくらでも安くできてしまうのです。 クレーム・ド・カシスはキールを作るためだけに使えるのではありません。ストレートでも飲めますが、バニラ・アイスクリームの上から少したらしてみても、おいしいデザートになります。 一度、きつくて飲みにくいブルゴーニュのロゼワインが飲みきれないので、キールを作ってしまったことがありました。ピノ・ノワール種のブドウからつくられたロゼワインの中には、かなり渋みが強いものがあるのです。 正直いって、アリゴテで作ったキールにさほど劣るものではありませんでした。私が買っているクレーム・ド・カシスはワイン農家が小量生産しているもので素晴らしい風味があるので、ロゼワインでブレンドしてしまってもおいしかったです。 繰り返しますが、キールはクレーム・ド・カシスの風味で決まる、と思っています。 |
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クレーム・ド・カシス 1に対して、アリゴテ 2の割合でカクテルにするのが本来のキールだと言われますが、それだと濃厚すぎてしまいます。 クレームド・カシスと白ワインの割合は、1対3 あるいは1対4 くらいでしょう。ブルゴーニュでは、濃厚なキールを飲みます。 でも、カクテル割合はお好みでなさって良いと思います。クレーム・ド・カシスのアルコール度は高いので、お酒に弱い方は白ワインの分量を増やすと良いでしょう。 ただし、キールの地元ブルゴーニュでは、白ワインに薄い赤色が付いた程度のキールは嫌います。この色にならなければならない、という原則があるのです!
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キールのバリエーション、 キールの歴史などについて |
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