メフィスト編集長 (Méphisto)の編集日記

画家になれるでしょうか?
Chagall ou rien...
- 2005年2月 -

 セクレタリーのフローラが、「ネコと、ネコが好きな人のための・・・ミュージアム」に、画家として認められているネコたちがいることを紹介しました(そのページはこちら)。そのページを見て、ボクも、ひょっとしたら画家としての才能があるかも知らない、と思いました。

 ネコが描く絵にはマニアがいるので、けっこうな値段で絵が売られれいるそうです。でもボクは、そういうお金儲けをしたいからではなくて、純粋に芸術を愛するネコだから描いてみたいと思ったのです。念のため。

 去年の今ごろには、音楽家になろう! と決心したのですが(そのことを書いたページはこちら)、本当のことを打ち明けると、1年たっても全然上達しませんでした・・・。ピアノを時々は弾いているのですが、どうも必要に迫られないと鍵盤に乗る気にならないので、ちっとも上手になりません。

 「ネコよ、大志を抱け!」と、誰かが言っていたような気がします。それで今年は、画家を目指そうと思います!

 ボクがそう決心したのは、ある大雪の日。

 庭に積もった真っ白な雪の上を歩いていたら、ボクのインスピレーションが沸いたのでした。

 この雪を絵にしたい!!!・・・

  といっても、ボクは絵の具も、色えんぴつも持っていません。字を書くのはいつもパソコンなので、筆を持つ方法を習ったこともありません。

 でもボクが残す雪の上の足跡は、
芸術作品になる価値があると思いました。

 ← これです!

 とりあえず写真に収めて、それを加工して作品にしてみることにしました。

 まずラップをかけてみると・・・、
← これ・・・。

 白黒だと、色に乏しいのですよね。
← それで、これにしてみました。

 でも、まだつまらない絵・・・。


 ようやく完成した作品は額縁に入れてみました。題名は、フランス語では「Pattuscrit d'hiver」、日本語では「冬の足跡」としました。

 全部の作品をご覧になってくださる方は、この右に入れた完成作品をクリックしてください。もっと大きな画像を、作品の移り変わりとともにスライドショーでお見せします。誰もご覧にならないとは思いますが・・・。

 初めての作品としては悪くない、とボクなりに気に入ったのですが、画壇が評価してくれるかどうかは分かりません。

 いつか、美術評論家の人が(自分で評論家だと言っているだけですが)言っていました。

 今の世の中では、自分の作品に関する情報をきちんと整理して残す画家が後世に名が残る。確かにその通り。評論家の人だって、きちんとした画家の歩みが記録されていれば研究もしやすくなりますから。それで、ボクも自分の作品をきちんと整理しておこうと思って、初めての作品がどのように生まれたかを示すスライドショーを残しました。

 でも、もうひとつ現代の画家にとって必要なことが挙げられていました。どうということのない作品、誰でも描けると思えるような作品に、しっかりと芸術的な説明ができることが必要。

 「なんだ、これ?!」と思われてしまうような作品でも、画家の説明を聞くと、「う〜ん、なるほど・・・」と感心して、その作品の奥にあるものが見えてきて、「素晴らしい!」と感心するに至る。それが必要なのです。

 これは困るのですよね。ボクには、そういう才能はないのです。才能があるネコだったら、この描かれている足跡の間隔にはどんな意味があるとか言えるのだろうけれど・・・。

 一番大事な作品の題名。フランス語の題名「Pattuscrit d'hiver」はしゃれていると思います。手で書いたものは「manuscrit」といいます。ネコの足(patte)で描いたから「Pattuscrit」という造語を作りました。それに「冬の(d'hivert)」がついています。この言葉に含まれるvertとは「緑」。ボクの作品のトーンです。

 日本語の題名「冬の足跡」は平凡すぎますよね・・・。音楽家から画家に転向したボクとしては「冬のソナタ」としてみたいと思ったのですが、すでに何処かで使われてしまっているらしいのでやめました。

 ボクはシャガール(シャ=猫 chat)になれるか? それとも何者にもなれないか?・・・ 来年は、また別の道を考えなければならないかな?・・・

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