フランス国歌の「ラ・マルセイエーズ 」も明るい曲ですが、フランス革命期に国歌となった曲なので、「敵を倒せ!」という、かなり挑戦的な歌詞です。
スポーツの試合の前などに演奏されるのには適していると思います。でも外国から国賓を向かえたときなのにも、この曲が歓迎のために演奏されるのですから、酷いと思ってしまいます!
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フランスは6角形だと表現されます。
でもフランスの国の形を人体として見ると、ブルゴーニュは、ちょうど心臓の位置にあります!
フランスでは地方名が行政区分の単位になっています。ブルゴーニュ地方圏は、きれいに4等分したかのように4つの県に分かれています。この地方の行政中心地はディジョン市です。
県名
県コード番号
県庁所在地
ヨーヌ県 (Yonne) *
89
オーセール (Auxerre)
コート・ドール県 (Côte d'Or)
21
ディジョン (Dijon)
ソーヌ・エ・ロワール県 (Saône-et-Loire)
71
マコン (Mâcon)
ニエーヴル県 (Nièvre)
58
ヌヴェール (Nevers)
*
ヨーヌ(Yonne)県は、日本語表記では「ヨンヌ」とするようですが、フランス人の発音では「ヨーヌ」に聞こえます。また、普通は定冠詞を付けて l'Yonne
となるので、この県の名前を耳にするのは「リヨーンヌ」という発音です。
フランスの県名は、その県に流れている河川の名前から作られたものが多いです。ヨーヌ、ソーヌ、ロワール、ニエーヴルも全て河川の名前。唯一、コート・ドールだけは「黄金の丘」という美しい県名になっています。
ブドウ畑が色づいた美しさを表した県の名前です。このような詩的な県の名前は、フランス中探してもコート・ドールしかありません! フランス革命後に県名前が決められるとき、地元の議員(André-Rémy
Arnoult)の提案が通ったのです。普通でしたら、ありふれた川の名前を使った県名になるところでした。セーヌ上流県とか、セーヌ&ソーヌ県など...。
ソーヌ・エ・ロワール県の観光プロモーションでは、「ブルゴーニュ南部 (Bourgogne du sud)」という呼び名を県名のように使っています。「ソーヌ&ロワール」というと、あのお城巡りで有名なロワール河流域地方と混同される恐れがあるので、イメージの良い「ブルゴーニュ」という言葉を強調しているのです。
右の地図にマウスを近づけると、もう少しよく地形が分かるでしょう。
4県にまたがる中央部には、モルヴァン(Morvan)地域と呼ばれる自然に恵まれた山岳地帯があります。最も高い山は901メートル。
ブルゴーニュにはそれほど高い山はないのです。標高500メートル程度でも「山」とか「峠」とかいう名前が使われています!
ブルゴーニュは農業が盛んな地方です。
高級ワインの産地であることは言うまでもありませんが、その他にもフランスでは名高い農産物があります。肉牛のシャロレー種は、この地方が原産地です。世界一と言われるブレス産若鶏、ヤギのチーズなどもあります。
ブルゴーニュがフランスの中でも特に美食の地と言われるのは、農産物に恵まれているからなのです。
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旧石器時代、ケルトの時代、そしてローマ支配下の歴史が残っています。5世紀におこったゲルマン民族の大移動で、ブルグント族が渡ってきました。
ブルゴーニュという名は、このブルグント族(Burgondes)が築いたブルグント王国の名に由来しているのです。
ブルゴーニュの紋章
ブルグント王国、ブルゴーニュ王国が築かれた時代が過ぎ、14世紀から15世紀にかけて、ブルゴーニュはブルゴーニュ公国として最も隆盛を誇りました。
この時代のブルゴーニュ公国はフランス王国をしのぐほどの勢力を誇り、ベルギーやオランダまで領土としていたのです。
外部リンク: 15世紀の広大なブルゴーニュの領土を見せる地図
ブルゴーニュの領土がフランス王国に吸収されたのは1477年。その経緯については、悲劇の美しい公女マリー・ド・ブルゴーニュの話があるのですが、それを書くのは別の機会にします。
豊かなブルゴーニュはフランス王国にとっても、大切な領土でした。その証拠には、ルイ14世の時代からフランス革命までの間、ブルボン家の中でも名門のコンデ候がブルゴーニュを統治しました。
勢力のあったコンデ家のお陰で、ブルゴーニュは公国がなくなってからも発展を続けました。運河が築かれたり、人口が多くはないディジョンに大学が設立されたりもしたのです。今日でも、ディジョン市の旧市街の美しさは、この当時のブルゴーニュの姿を彷彿とさせてくれます。