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A propos de la Bourgogne...
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フランスは、昔は国が異なっていた地域が集まって成り立っています。ですから、フランス語を知っていても、全く理解できないような言葉を持つ地域もあり、そういう言葉を保存しようとする運動もあります。
しかしブルゴーニュには、保存運動がおこるほど特殊な言葉はなかったようです。ブルゴーニュ独特の単語や訛りもあるのですが、それを聞くことは稀になりました。
ただし、お酒を飲むことに対する言葉などでは、おそらくブルゴーニュの表現なのだろうと思われるものを、自然に覚えてしまっているものもありますが。
今日でも残るブルゴーニュ地方の言葉の特徴を、幾つかご紹介します。
X (エックス)を発音しない
ブルゴーニュの地名に入っている「エックス(x)」の文字が、普通に習うフランス語の発音の法則とは異なることに気がつかれた方があるかも知れません。エックスの文字を伸ばして発音するのです。
例えば、Auxerre という町の名前。ブルゴーニュのサッカーチームの名前としてご存じの方もあるでしょうか? 普通に発音すれば「オクセール」なのですが、「オーセール」と発音します。
ブルゴーニュワインがお好きな方には例をあげるのが簡単です。
ブルゴーニュワインでは村の名前がそのままワインの銘柄になっていることが多いですので。
例えば、Aloxe-Corton。普通のフランス語として発音すれば「アロクス・コルトン」なのですが、村の名前は「アロース・コルトン」です。日本でもおなじみブルゴーニュの高級ワインですので、日本でも「アロース・コルトン」として販売されているようです。
Rを巻き舌で発音する
フランスの標準語では、Rは飲み込むように喉の奥から音を出すのですが、ブルゴーニュ訛りでは舌の上で転がすような発音をします。イタリア語に近い感じでしょうか?
今はほとんど耳にすることはありませんが、田舎に行くと、強い訛りのある話し方をするお年寄りたちに出会うことがあります。
どんな風にRを発音するのか?
例えば、ディジョン市長を20年余り勤めた名物市長キール氏のインタビューをお聞きください。
INAのサイト: Interview du Chanoine Kir
1962年の収録。ディジョン市に作った人造湖(キール湖)の話しがでてきます。服装が奇妙だと思われた方のために説明しておきますと、キール氏(Félix Kir)は教会参事会員(chanoine)なのです。
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* キール氏の研究書としては、左の本の方がお勧めです |
ちなみに、日本でもお馴染みのキール(クレーム・ド・カシスと白ワインのカクテル)は、キール市長が市長時代に広めた食前酒です。白ワインはアリゴテを選ぶのが正式です。
食前酒キールについては、ページを追加しました:
ブルゴーニュの食前酒: 本物のキールとは?
* キール市長の話しをページにしたいと思っているのですが、余りにもユニークな逸話が数多く残っている人なので書くことが多すぎる。それで、まだ未完成です...。 |
語尾を発音したり、しなかったり...
ブルゴーニュにやって来たマルセイユの友達から言われて気がついたことがありました。
「ブルゴーニュではどう発音して良いのか分からなくなる!」と、ご主人が言うのです。
ブドウの絞りカスから作ったブランデーをMarcと言います。
それを彼は「マルク」と発音したら、ブルゴーニュの人たちから笑われました。ブルゴーニュでは「マール」と発音するのです。
右はブルゴーニュの食前酒キールを作るのになくてはならない「クレーム・ド・カシス」というリキュールです。Crème de cassis
という綴り。つまり、cassis の語尾にあるSを発音します。
ところが、前日「マール」を「マルク」と呼んで笑われた友人は、これを「カシ」と呼ぶなければおかしい! と言うのです。というのも、マルセイユの近くには有名な観光地
Cassisがあるのですが、こちらは地元では「カシ」と発音するのでした。
一般的にフランス語の語尾を発音するかどうかは分からないですね。例えば、ブルゴーニュにはTournus という美しい町があります。地元では「トゥルニュ」と発音するのですが、パリの人などは「トゥルニュス」と呼んでいます。
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