フランス国旗は、矢車菊の青、マーガレットの白、ヒナゲシの赤で現されます。 内部リンク: フランス共和国のシンボル この3つの花は、フランスの野原に咲く花の代表です。夏の田園のありふれているともいえるこの3つの花で国旗の色を表現するのは、フランス人がいかに田園に思い入れを持っているかを現しているとを示しているでしょう。 国旗の右手、赤のひなげし(コクリコ)をからご紹介します。この花から始めるのは、3つの花の中では、田園で一番目だつからです。
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フランス国旗の赤として使われているのですが、赤というよりは緋色という感じがします。 |
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日本の田んぼに咲いているではレンゲの花を思い起こさせます。農薬が使われるようになってから、レンゲと同様にヒナゲシの花は姿を消してきました。それでも農薬の使用に敏感になった最近では、ヒナゲシや矢車草が復活してきたように見えます。 それでも、一面がヒナゲシでおおわれている野原を見たときには驚きました。 |
チューリップのようにヒナゲシを栽培しているのかと思われるかも知れませんが、そうでないことは明らかです。野生のヒナゲシは花瓶に活けても、すぐにしおれてしまうので商品化はできないのです。 ヒナゲシは水の吸い上げが悪いので、茎を火であぶってから花瓶に入れると良いと教えてもらったことがあります。試しにしてみると、蕾から花が開きました。でも首がうなだれていて、元気がありませんでした。やはり野に咲いているのを見る方が美しいと思います。 レンゲの花は畑を肥やすので、昔は意図的に田んぼでレンゲを咲かせていたのだと聞いたことがあります。上の写真の畑は、ヒナゲシもそのような効果があると考えた農家の人の畑なのかも知れません。 畑を肥やす草には別のものがあるようです。いつかブルゴーニュで、ラベンダーのように見える色の花が一面に広がっている畑を見たことがありました。とてもきれいでした。ブルゴーニュでラベンダーなど栽培しているはずはないので奇妙に思って聞いてみると、休閑地の土地を肥やす草なのだと教えてもらいました。花の名前も聞いたはずなのですが、忘れてしまいました。 |
印象画家クロード・モネにも、ヒナゲシが咲く野原を描いた有名な作品があります。
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アルジャントゥイユはパリ郊外にある町です。私個人にとっては、昔勤めていた香水の原料をつくる会社の本社があるという懐かしい地名です。 この作品に描かれている人物は、モネの妻と息子だろうと言われています。散歩している親子が丘の上に姿を現したときの姿と、画家の視点へと接近してきたときの姿が描き込まれています。私には風の動きと光、そして時の流れが伝わってきます。右手下の男の子が、歩いている間に摘んだらしいヒナゲシの花を持っているところが、幸せそうな親子のように感じます。 この作品は第1回印象画展に出展された作品だそうです。時間の流れを絵画で表現ようとしたモネの意欲的な姿が感じられます。 |
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フランス語では「coquelicot (コクリコ)」と呼ばれるヒナゲシ。 奇妙な発音だと思っていたのですが、雄鶏の真っ赤なトカカがヒナゲシの花の色を思わせることにに由来してつけられた花の名なのだ、と聞いて納得できました。 フランスでは雄鶏(coq: コック)の鳴き声は、「コケコッコー」ではなくて、「ココリコー(cocorico)」と表します。「コクリコ」と似ていますね。 雄鶏はフランスのシンボルようようにも扱われている動物です。フランス人がヒナゲシに思い入れがあるのもうなずける気がします。 内部リンク: フランス共和国のシンボル > 雄鶏: フランス人気質にぴったり
フランス人はコクリコと雄鶏と結びつけることは殆どないと思いますが、ヒナゲシは愛されている花だと感じます。フランスのアイテムにはヒナゲシのモチーフが使われているものが色々あります。
フランス語には「ヒナゲシのように赤い(rouge comme un coquelicot)」という表現があります。 間違ったときや、恥ずかしがって赤面した顔色に対して使います。怒って赤くなったとか、酔って赤いというのではなく、むしろチャーミングだというニュアンスがあるようです。 酔っ払いの顔を形容するときには「鼻が赤い」と言います。顔を赤らめた女性や子どもなどに対しては、確かに「雄鶏のトサカのように赤くなった」というよりは「コクリコのように赤い」と言った方が可愛げがありますね。 日本語なら「頬が染まった」、「ほんのり桜色」のようなものでしょうか? 白色人種の場合、少し赤くなるとヒナゲシのような鮮烈な赤色になってしまうのかと面白く思いました! |
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更新:2010年1月 | |||||||||||||||||||
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