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旅行好きからスタートして | ||
本来の風来坊なのです。お金持ちだったら、一年中旅をしていたいと思っています。 フランス国内を旅行したことにかけては、平均的なフランス人を遙かに上回っていると思います。ほとんど全土を旅行しました。 フランスの次に好きなのはイタリア。合計したら1年くらいは滞在したことになると思います。フランスには美しい農村があり、イタリアには美しい町や村の都市文化がある、そのコントラストが好きです。 私がフランス国内を旅行していることを知っていた友人の紹介で、趣味を仕事に結びつけるような話しが飛び込みました。 日本のある研究所が地域開発の方向を示す報告書を出すので、その中でフランスの民宿事業について紹介して欲しいという依頼でした。 1991年になるかならないか、という時期でした。なぜ日本が民宿に興味を持つのか不思議に思いました。後になって分かったのですが、その頃に日本のグリーン・ツーリズム振興が始まろうとしていたのでした。 報告書を書く仕事が舞い込んだとき、原稿提出までの期限は2週間くらいしかなかったと思います。フランスの民宿は色々体験していたのですが、趣味で利用していたのですから、報告書に書くようなデータや資料などは持っていません。困りました・・・。 そのときに紹介されたのが山崎光博先生(注)。すでにヨーロッパの民宿システムについて研究を始めていて、持っていらしたフランスの民宿連盟の資料を、どっさり、惜しげもなく貸してくださいました。 そのときに山崎先生から、ヨーロッパのグリーン・ツーリズムを日本に紹介する本を一緒に出そうと言われました。それが実現するとは思っていなかったのですが! 1993年に家の光協会から出版した『グリーン・ツーリズム』と題する本がそれです。ヨーロッパのグリーン・ツーリズムを日本に紹介する本となったために、たくさんの方がグリーン・ツーリズムのバイブルのように読んでくださったそうです。 人生というものは、やはり出会いによって道が開けるものなのでしょう。趣味と仕事を兼ねられるので、恵まれた道を歩ませていただいたと思っています。 |
念願を果たせた出版 | |
グリーン・ツーリズムを研究するようになって間もなく、フランスのグリーン・ツーリズムの顔のような人と出会いました。日本にも講演のために2度いらしているし、フランスでも多くの日本人視察団を迎えた方なので、ご存知の方も多いと思います。 フランスのグリーン・ツーリズム振興を統括していたTER協会の事務局長のアンリ・グロローさん。冗談がお上手な気さくな方で、一度会うと、誰でも好きになってしまうようなお人柄。大変な人気者でした。 そのグロローさんは、21世紀を迎える前年の秋に交通事故で亡くなってしまいました。私の仕事を助けてくれた人というよりは、気の合う友達を失ったことの方がショックでした。 彼は私にフランスのグリーン・ツーリズムを日本人にアピールする本を出すようにと薦め、その時には序文を書くからとおっしゃってくれていました。 ようやく2002年に、軽いタッチでフランスのグリーン・ツーリズムを紹介する『フランス田舎めぐり 〜 田園で過ごす癒しの旅のすすめ』をJTBから出版できました。グロローさんが生きていたら、どんなに喜んでくれたかと思わざるを得ませんでした…。 専門家の方々に情報を提供するのが私の仕事なのですが、もともと自分が旅行を楽しむのが好きなので、一般の方々に私の旅行ノウハウを教えたいと、グリーン・ツーリズムに関する仕事を始めてからずっと思っていたのです。 ですから『フランス田舎めぐり』の本を出版できたのは大きな喜びでした。担当してくださった佐藤真理子編集長さんもとても良い方で、私が言いたいことを理解してくださり、また親切にご指導もしていただきました。私は本当にラッキーな人間だと思っています。 この出版の後は、グリーン・ツーリズムを発展させて、フランスの食生活がどんなに豊かであるかを語る一般向けの本を書きたいと思ったのですが筆が進みません...。 |
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『フランス田舎めぐり』の冒頭でした自己紹介は、こちらのページに載せています。 |
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追記: (2005年5月) 日本のグリーン・ツーリズム発展のために大きな貢献をなさっていた山崎先生が、2005年4月末に胆嚢(たんのう)癌で亡くなられてしまいした。誰からも好かれていた方だけに、悲しまれた方々が日本全国にたくさんいらしたと思います。 私も初めて出会ったときからずっとお世話になっていました。お葬式にも行くことができたのですが、全く実感がありません。この次にフランスから帰って来たときには元気なお姿を見られる気がしてならないのです・・・。 雑誌『かがり火』(リゾート通信社)に追悼記事を書かせていただきました。 |
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作成: 2003年12月 更新: 2005年5月 |
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