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Champagne
シャンパンのコルク栓はワインのとは違う
Bouchon de champagne

世界中の何処かで、1秒間に4本の割でシャンパンの栓が開けられているのだそうです。

シャンパンなどのスパークリングワインをあけるときには、コルクが勢いよく飛び出します。


お祝いの席では勢いよくコルクを抜くのが楽しいのですが、正式にはポ〜ンという音などは立てずに抜くべきものなのだそうです。ソムリエさんたちはそうしています。

飛んだコルクが天井にあたってしまうほどの勢いで飛び出してしまうこともあります。上手にやらないと、シャンパンは溢れ出してしまうことにもなります。

内部リンク: シャンパンの正式なあけ方とは?

それだけボトルにはガスが充満しているわけなのですが、コルクが勝手に飛んでしまわないようにする技術の開発には長い年月がかかったそうです。

コルクはワイヤーで止めていますが、それだけでは十分ではないようです。コルクそのものにも工夫があるのです。

シャンパンのコルクは、ワインのコルクより太めだというだけではありません。また、独特のキノコの形をしたコルクをボトルに差し込んでいるというものでもないのです。

シャンパンの産地シャンパーニュ地方で行われたお祭りで、シャンパン用コルクを製造している方が、それを説明してくださいました。

まず、上質のコルクを選ぶのがポイント

上質のコルクが生産されるのはポルトガル。これは、よく知られていることです。
コルクの質が悪かったり、保存の仕方がまずかったりすると、コルク臭がワインに写ってしまって飲めない状態になります。これをブショネと呼びます。


ワインのコルク

ワイン用のコルクは、このように樹皮から繰り抜いて作ります。
上質のワインに使われているコルクは、特に上質のコルク、しかも長いものが使われます。ワインを長い年月を寝かせて熟成させることを可能にするためです。


シャンパンのコルク

シャンパンのコルクは、ワインのコルクとは全く違った作り方をします。3層からなっているのです!
ワインと接触する部分は、コルクの若い樹皮、つまり厚みでてこないうちの頑丈な樹皮(写真A)から、厚みにそって2枚のコイン状のものを切り出します(写真 B)。

それとは別に、コルクを細かくしたチップ(写真 @)を固めて、写真 C状の栓を作ります。

BとCを張り合わせて、シャンパン用コルクが完成します(写真 D)。

消費者が手にするシャンパンのコルク栓は、コルクの長さの半分近くが外に飛び出しているキノコ状をしていますが(写真 E)、ボトルに打ち込む前のコルクはワインのコルク栓のように真っ直ぐの形をしているのです。

お飲みになったシャンパンのコルク栓をご覧になってください。シャンパンの液体と接触していたコイン状の2枚をはっきりと見え、ワインのコルク栓とは全く違う作りになっていることを確認できます。

なお、シャンパンのコルクがいい加減に作られたものであるか、保存状態が悪かった場合には、コルク栓が尻つぼみのキノコ形になった状態になってしまっています。


2枚のコイン状のコルクを切り出す方法は、下のポスターをご覧ください。
ボトルに打ち込む前と後のコルクを比較して見せている写真

コルクを打ち込む作業

シャンパン用のコルクはボトルよりかなり太くできています。ワインの場合は、飲み残したワインを保存するためにコルクを再び差し込むこともできますが、シャンパン用のコルクでは無理です。それだけにボトルの中からあがってくるガスの圧力に耐えているというわけです。

そんなに太いコルクを、どうやってボトルに打ち込むのか?

これは別のイベントで見せてもらいました。

下の写真は、ブルゴーニュのスパークリングワイン「クレマン・ド・ブルゴーニュ」のお祭りでデモンストレーションしてくれた昔の作業です。
今ではこんな原始的な作業はしないのですが、昔の作業を見ると、どのような仕組みになっているのかがよく分かります。テコを応用して、大きな音をたてながら、勢いよくコルクを打ち込んでいました。


セラーで寝かせているときには、コルクが付いていない

シャンパンは爆発おしてしまう恐れがあるので、しっかりとコルクを打ち込み、さらに針金で留めておかなければなりません。

とすると、当然ながら、発泡が進んでくる状態でセラーで保存するときには、コルクと針金の状態になっているのだと思っていました。

ところが、シャンパン醸造所のセラーを見学して気がつくと、ビールのキャップのようなもので留められているだけなので意外でした。

右の写真が、そのキャップを内側から見たものです。

セラーで眠るシャンパン

中には破裂してしまうのもあるのではないかと思って聞いたところ、たまにはあるのだそうです。そういうときの原因は、むしろボトルが不出来である場合とのことでした。

そういえば、シャンパンのボトルはワインのものより、ずっと頑丈に作られていますね。
作成: 2006年8月 更新: 2008年2月
シャンパーニュ地方のワインマップ

シャンパーニュ地方のワイン
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